「赤木ファイル」攻防戦にみる国のウソと不誠実

世相閻魔帳④「顕正新聞」令和3年5月25日号

 本年五月六日、国は「森友事件」で改ざん作業を強要され、自殺に追い込まれた近畿財務局の赤木俊夫氏が〝改ざんの過程等を時系列にまとめた文書〟、通称「赤木ファイル」が存在することを認め、これを裁判所に提出するとした。
 以下、森友事件について簡単に振り返った後、「赤木ファイル」の内容、そしてファイルの存在を隠蔽しようとした国の不誠実な対応について述べる。

森友事件の概要

 森友事件は、日本会議大阪の役員であった籠池泰典氏が理事長を務める「森友学園」の経営する幼稚園において、園児に「教育勅語」を朗唱させるなどの愛国教育がなされていることを耳にした安倍前首相が、学園の教育方針に共鳴し、国有地をほとんどタダ同然で学園に払い下げるよう仕向けた疑いのある事件である。
 ペテン師の安倍は、「私や妻が、もし小学校の設立や国有地払い下げに関与していたら、総理大臣はもとより国会議員も辞任する」と大見栄を切った。
 しかしその直後より、財務省で国有地取引の経緯を記した公文書の改ざんが行われた。改ざん前の文書には、籠池氏が所属していた日本会議大阪と日本会議の関係や「日本会議国会議員懇談会」の副会長に安倍が就いていること、同懇談会の会長・平沼赳夫が秘書を通じて財務省に圧力をかけたことのほか、安倍の妻・昭恵が籠池氏と一緒に現地の前で並んで写真撮影したこと、昭恵が森友学園の教育方針に感涙したことを紹介する記述等が存在したが、これらがゴッソリ削除された。要するに、公文書改ざんという犯罪は、安倍や妻・昭恵、日本会議系の議員らを守るためになされたといえる。
 改ざん作業を強要された赤木氏は、不憫にも自殺してしまった。赤木氏の妻・雅子さんは、〝なぜ自分の夫が自殺にまで追い詰められたのか、その真相を調査してほしい〟として国を提訴、現在も裁判が続いている。

「赤木ファイル」

 赤木ファイルとは、赤木氏が作成した「改ざんの過程等が時系列にまとめられた文書」やメール等がまとめられたファイルとされる。平成三十一年三月、赤木氏の元上司(池田靖)は、弔問の際、雅子さんにファイルの存在を打ち明け、「これを見たら我々がどういう過程で改ざんをやったのかというのが全部わかる」と証言した。
 つまり、このファイルを確認すれば、誰が、いつ、どういう目的で、安倍夫妻や日本会議に関連する記述等の削除を赤木氏に指示したのかが客観的に明らかとなる可能性がある。

不誠実極まる国の対応

 それゆえ、卑怯・卑劣な国は、ファイルがあるのか無いのか全く明らかにせず、その存在を隠蔽しようとした。財務省が公表した「調査報告書」には、ファイルに関する記載が全くないのである。
 また、国の担当者は、国会では〝裁判に影響を及ぼすため、ファイルはあるとも無いとも言えない〟と回答したが、裁判では〝ファイルは裁判と関係がないから、あるとか無いとか回答する必要はない〟と矛盾する回答をしたり、ファイルは「探索中」と誤魔化したりして、その存否について長いこと明言を避け続けた。
 これが三流ペテン師の言であればともかく、ペテン師を取り締まるべき国が、国として正式に行った対応だというのだから唖然とする。
 そして今般、裁判所からファイルの提出を求められた国は、世間の反発を考慮したのか、ついにファイルの存在を認め、これを六月二十三日までに裁判所に提出するとした。
 その数日後、麻生財務相は、それまで「探索中」とシラを切っていたファイルの存在を知ったのは「かなり前」だったと、全く悪びれることなく言い放った。森友事件に関して安倍政権は、一三九回も政府答弁でウソをついたことが判明しているが、不誠実極まる対応を平然ととれる精神構造には驚きを禁じ得ず、憤りを覚える。
 往生際の悪い国は、ファイルに「黒塗り」を施して提出するそうだが、海苔弁のような真っ黒の文書であれば提出する意味は全くない。余計な小細工を弄さず、全文公開すべきである。もっとも、すでに何者かが赤木ファイルを改ざんしている可能性も否定できないが…。
 いずれにせよ、公文書改ざんの発端となる答弁を行った無責任で冷酷な安倍は勿論、赤木氏に改ざん作業を強要したコバンザメの財務省幹部らもまた、人ひとり自殺に追い込んだことに何ら痛痒を感じず、今なお自分の保身・出世のために悪足掻きをしているのだから、〝人間のクズ〟というほかない。
 「末法濁悪」ここに極まれり。早く広宣流布して国立戒壇を建立しなければならない。(天皷)