世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

「寄生虫」の悪あがき

世相閻魔帳⑧「顕正新聞」令和3年7月5日号

 既報のとおり、東京地裁は、日蓮正宗(宗門)の謀略紙「慧妙」の公式サイトに公開された「カエリタマエ」の捏造音声を巡る裁判において、宗門で「法華講大講頭」(役員)を務める大草一男と大草率いる謀略集団「妙観講」の請求を全て尽く棄却し、被告とされた顕正会と藤村法務部長の全面勝訴とする判決を言い渡した。
 早速この判決を受けて、大草が編集等に関与している「慧妙」令和三年六月十六日号は、「顕正会による名誉毀損裁判に不当判決」と題する記事を掲載した。以下、その内容を簡単に紹介する。

低劣な慧妙記事

 まず慧妙記事は、「東京地裁は、妙観講(大草一男講頭)が顕正会名誉毀損で訴えていた裁判で、妙観講の損害賠償請求を棄却する不当判決を下した」、「顕正会に対する妙観講の請求を認めなかった」と説明しているが、不正確である。
 今回の裁判は、原告が妙観講(団体)と大草一男(個人)、被告が顕正会と藤村法務部長で、請求を棄却されて敗訴したのは妙観講と大草の両名である。一昨年、大草らがこの謀略訴訟を提起した際、「慧妙」は「妙観講及び同講講頭・大草一男」が原告となって東京地裁に訴えたと、これ見よがしに報じたにもかかわらず、敗訴した途端に大草が原告ではなかったかのように装う姑息は片腹痛い。
 次に慧妙記事は、「妙観講法務部・榎本」の〝事実を見落とし、過去の判例とも矛盾している〟という素っ頓狂な見解を根拠に、今回の判決を「不当」と訴えているが、これまた笑止千万。
 榎本は浅井先生のご自宅に突然押しかけて喚き続けた〝三馬鹿〟の一人で、その中でも存在しない「カエリタマエ」を録音したと強弁している張本人、しかも大草らの代理人弁護士でも何でもない〝素人〟である。かかる輩の〝個人的感想〟をもって「不当」といってみたところで何の説得力もありはしない。
 本来なら、代理人弁護士をつとめた大草の息子がコメントを寄せるのが筋と思われるが、それを伏せておきたい〝深い理由〟があるのかもしれない。

〝捏造〟との鑑定結果

 最後に慧妙記事は、「今回の不当判決は、三審制のうちの一審に過ぎず、裁判はまだまだ続く」と強がっているが、やれやれ、実にご苦労なことである。
 「三審制」と言うのは、いわばボクシングでいうところの「KO」(ノックアウト)ルールがないため、どんなにボロボロで痛々しい姿に追い込まれようとも、自らギブアップしない限り三ラウンドやらせてもらえるというものである。
 大草らは勇ましい姿でリングに立っているように見せかけているが、実際には意識朦朧・満身創痍でリングに突っ伏し、ギブアップすることもできず、ために試合が形式上続行されているに過ぎない。取り返しがつかなくなる前に、リングにタオルを投げ込んであげた方がよい。
 と言うのも、鈴木松美氏(世界各国の政府機関からの依頼で数々の事件・事故の調査・鑑定を手掛けた日本における音声分析の権威)や谷本益巳氏(元科学警察研究所法科学第二部音声研究室長、元日本鑑識学会会長)という錚々たる二名の専門家が明らかにしたとおり、「慧妙」が公開した「カエリタマエ」は捏造音声である。このことは専門家ではない最高裁の判断を待つまでもなく、すでに決着がついている。
 今後、大草らはスケープゴート(身代わり)を用意し、その者に「私が音声を捏造しました。大草講頭は全く関与していません」とでも言わせるのだろうか。引き続き注視していきたい。

大草の謗法与同

 事のついでに、大草がネパールで勧誘成果を稼ぐため、謗法に与同した疑惑についても触れておく。
 掲載写真は妙観講のネパール現地組織と思しきアカウントがフェイスブック(SNS)に投稿したものである。壁の張り紙には「Nichiren Shoshu Spiritual Organization Nepal」との記載があり、ネパールで開催された〝宗門の行事〟を撮影した一枚と窺われる。


 注目すべきは、大草の正面に置かれた怪しげな「像」である。これ、ヒンズー教の「ガネーシャ」(障害を取り除き成功を授ける神として、何か事を始める前に礼拝される)ではないか。実際、この写真には「Why the Hindu statue?」(なぜ、ヒンズー教の像が?)とのコメントが寄せられている。ちなみに、かつてヒンズー教が国教だったネパールでは、現在も八割以上の人がヒンズー教徒だという。
 結局、大草らがネパール等での勧誘成果とする「約十万名」の大半は、ヒンズー教の信仰を捨てたのか疑わしい者たちと窺われ、その者らも「法華講員」として「八十万人体勢」にカウントされたというのだから、何とも滑稽である。
 しかるに早瀬管長は、本年二月十四日、妙観講が登山した際、謗法与同の大草らに対し、「妙観講の皆さま方には、宗門のかねてからの誓願でありました八十万人体勢構築に大きく貢献していただきまして、宗門といたしまして心からありがたく、感謝申し上げます」、「どうぞこれからも、大草講頭の指導を中心にして…」などと歯が浮くような諂いの謝意を表し、記念撮影までする始末。全く情けない。
 そういえば浅井先生が学会・宗門に対し、池田大作正本堂完工式にローマ法王庁からキリスト教神父を招き、法要の最前列に座らせていたことを幾度となく糾弾された際、大草は〝神父ではなく「駐日バチカン外交官」、服装は「スータンと呼ばれる外出着であって、法服などではない」〟と嘯き必死に正当化していた。
 宿主の阿部日顕ですら「正本堂の完工式の時にキリスト教の者を招き、しかもキリスト教の法服を着けた形で正本堂の中に入れた」(阿部日顕発言、平成五年六月二十七日・新潟布教区親教)と、歴とした神父だと認めているにもかかわらず、である。
 このような謗法に対する潔癖性など些かもない大草が「謗法厳誡論」なる仰々しいタイトルの本を発行しているのだから、ふざけている。
 とまれ、捏造音声への関与という〝世法上の悪〟と謗法与同という〝仏法上の悪〟、この二悪を兼ね備えた大草の処遇につき、早瀬管長は真剣に検討すべきである。(天皷)