世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

「信平狂言事件」から見た大草一党の卑劣な習性

世相閻魔帳⑩「顕正新聞」令和3年7月25日号

 大草一党は今般の「カエリタマエ」の捏造音声事件(妙観講及び大草の完全敗訴)以前にも、悪質な捏造事件に関与していたことが指摘されている。法華講大講頭の地位にある大草の適格性判断の一助として、当該事件の概要を紹介する。

信平狂言事件とは

 池田大作と阿部日顕が二人三脚で進めてきた「本門寺改称」の陰謀が浅井先生の捨身の諫暁によって潰え去り、平成二年以降、学会と宗門が「修羅と悪竜の合戦」そのままの凄絶な大抗争に陥ると、学会は「シアトル事件」(阿部日顕が教学部長時代にシアトルへ出張授戒に赴いた際、売春婦とトラブルを起こして警察沙汰になった事件)を大々的に宣伝し始めた。
 これに対し、阿部日顕は自身の出廷を恐れて「日蓮正宗」と「大石寺」を原告に立て、学会を相手取り名誉毀損の訴訟を提起するも、学会弁護団の法廷戦術によって出廷せざるを得ない状況に追い込まれていた(結局、阿部日顕は法廷に三回も出廷し、学会弁護団から執拗なる辱めを受けることとなる)。
 宿主たる阿部日顕が窮地に陥ったことを受けて反撃材料を探していた大草一党は、「信平信子」という元学会幹部の婦人(本部副婦人部長、北海道副総合婦人部長等を歴任、平成四年以降役職なし)へとたどり着く。信平いわく〝池田大作に三回も強姦された〟という。
 平成八年二月、妙観講副講頭・佐藤せい子(大草の義姉)と当時支区幹事だった佐貫修一は、「週刊新潮」の記者・門脇護(現在は「門田隆将」と名乗る)と共に信平の下に赴き、記者会見を開くことや池田を提訴する方針等を謀議したとされる。
 そして、「週刊新潮」(同月二十二日号)は〝池田大作に三回も強姦された〟というスキャンダラスな内容の信平手記を掲載、世間に衝撃を与えた。同時期に「慧妙」も「週刊新潮」の予告記事を掲載して大騒ぎを始めた。
 その後、信平は池田に損害賠償を求めて東京地裁に提訴、記者会見を開いて大勢のマスコミの前で涙を流した。この記者会見の会場を手配したのは佐貫の関係者で、司会を務めたのは学会批判を行っているジャーナリスト・乙骨正生だった。
 「裁判に踏み切ったということは、実際にそういう被害に遭ったのだろう。たしかに池田ならやりかねない」と、世間の誰もが思った。
 ところが、である。信平手記の内容は〝作り話〟だった。
 裁判が始まると、池田の代理人を務めた九名もの弁護士が信平の主張の不合理な点を追及した。すると、信平の主張するストーリーは被害現場が公道に面した衆人環視の所だったり、その当時存在しない建物だったりと、調査すれば誰でも虚偽とわかるような極めてお粗末なものだったことが判明した。
 信平は追及を受ける度に、事件の日時や場所、被害に遭った回数等といった重要な事実に関する主張を何度も変遷させた。要は、ウソがばれるたびに新たなウソをつき…と、今般の捏造音声事件で追い込まれた大草一党と同じような対応を繰り返したのである。
 また、「慧妙」は信平の旗色が悪いことを知りながら、「完全逃げ腰の池田大作」「窮地に立たされた池田大作」「池田の負けが見えてきたレイプ裁判」などと、あたかも信平が優勢であるかのような印象を与える記事を何回も掲載した。これもどこかで見覚えがある。
 しかし虚偽宣伝の甲斐もなく、東京地裁は信平の訴えにつき「事実的根拠は極めて乏しいといわざるを得ない」と虚構性を認定、その上で「本件訴えは、訴権を濫用するものとして不適法なもの」「原告(信平)の不当な企てに裁判所が加担する結果になりかねないから、この時点で本件訴訟審理を終了する」と宣言し、信平の訴えを「却下」(門前払い)する判決を下した。
 訴権の濫用(嫌がらせだけが目的の提訴)と裁判所が認定することは極めて稀であり、当時学会は百万件に一件あるかないかと宣伝していたが、誇張ではなさそうである。

大草一党の悪癖

 このように、対立相手を貶めるためなら捏造された題材すらも利用する悪辣さ、虚偽・捏造が明らかになっても謝罪せず、どこまでも強がり続ける厚顔無恥ぶり…これらは大草一党の〝完治不能な悪癖〟といえる。
 今般の捏造音声事件はその最たるものだ。
 また、これまでに見たその悪癖を挙げれば
 第一は、正本堂の大前机に刻まれた池田の裸体レリーフについて「池田氏とは似ても似つかぬ顔」(「暁鐘」昭和五十七年五月号)とか、正本堂完工式に招いたバチカンキリスト教神父のことを「駐日バチカン外交官」と強弁し、服装も「スータンと呼ばれる外出着であって、法服などではない」などと、平然とウソをつく点だろう。
 かかるペテン師だからこそ、宗門が御遺命破壊に加担したことすらも、何ら改悔もなくウソにウソを重ねて正当化しようとしてしまうのである。
 第二は、自身は表には姿を出さず、代わりに配下の者やダミー組織を利用して行動させる点だろう。その一例が、信平狂言事件判決において信平と「一定の協力関係」があったと認定された宗門謀略紙「慧妙」である。
 「慧妙」は平成五年に妙観講の機関紙「妙観」の役割と機能を全て引き継いだものであり、創刊以来、発行業務等の一切は大草の書籍を発行・販売等している「株式会社ぎょうしょう」(代表取締役は副講頭の佐藤せい子)が請け負っている。
 しかし、「慧妙」の役員名簿に大草の名前はなく、代わりに妙観講員らの名前があるのみである。そのため、大草は「慧妙」にデタラメな匿名記事をどれだけ掲載しようとも、配下の者が裏切らない限り、他の者に責任を被せて知らぬ存ぜぬで逃げおおせることもできてしまう。実に卑怯・姑息ではないか。
 一刻も早く大草一党を宗門から追放しなければならない。(天皷)