世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

「統一教会」による政界汚染の深すぎる闇(1)

世相閻魔帳㊼「顕正新聞」令和4年8月25日号

 安倍晋三元首相が邪教統一教会」(現・世界平和統一家庭連合)によって家庭を崩壊させられたという山上徹也容疑者に殺害される事件が発生してより、統一教会による霊感商法(先祖因縁や霊界の恐怖を煽って壺や印鑑等の物品を購入させ、不当に高額な金銭等を取る商法)等の被害や政治家との底知れぬ癒着が取り沙汰されてきているが、ついに禁忌が破られた感がある。

統一教会の実態

 統一教会文鮮明北朝鮮出身)が韓国で立ち上げた邪教キリスト教系の新興宗教団体である。文鮮明は全ての宗教を統一させるという妄想のほか、朝鮮半島の南北統一を目標として掲げ、北朝鮮の主席三代(金日成金正日金正恩)とも繋がりを有していた。文鮮明の死後は同人の妻である韓鶴子統一教会の総裁の地位に就いている。関連団体(ダミー団体)としては「国際勝共連合」「天宙平和連合(UPF)」「原理研究会(CARP)」「世界日報」「ワシントン・タイムズ」等が挙げられる。
 文鮮明統一教会の儀式で日本の統一教会初代会長・久保木修己天皇に見立てて自身の面前で拝跪させて悦に入る反日・侮日思想の輩である。鮮明は「日本はすべての物資を収拾して本然の夫であるアダム国家・韓国に捧げなければならない」との妄説を弄し、日本の信者らにカネ集めや際限なき献金を行わせ、そのカネを韓国に送金させていた。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、統一教会による霊感商法の被害は同連絡会が集計した相談だけでも昭和62年から令和2年までの33年間に合計約3万4490件、被害合計は約1234億円余りに上り、今なお同様の被害相談が継続しているというが、これらは氷山の一角に過ぎず、実際にはこの10倍以上の被害があると見られている。
 また、文鮮明は日本人の独身女性信者らに自虐史観を叩き込み〝韓民族に重い罪を犯した原罪を負っている日本人の結婚相手は動物でも勿体ない〟などと信じ込ませ、彼女らを鮮明自身が指名した相手(主に結婚難に陥っている韓国農村部の男性)と「合同結婚式」で結婚させていた。こうして渡韓した日本人女性信者の数は実に約7000名にも上り、その中には悲惨・過酷な生活の末に韓国人の夫を殺害して服役中の者もいるという。
 今なお統一教会霊感商法等による被害に苦しむ人々が大勢存在することを踏まえれば、統一教会を単なる新興宗教反日カルトと捉えることは不適切かつ不十分である。すなわち、統一教会は荒唐無稽な外道の教えで人々を洗脳し、エゲツナイまでに日本人から金品を搾取する〝反社会的邪教集団〟というべきであり、仏法・世法ともに害悪でしかない。

腐った政治家ども

 統一教会の反社会性に鑑みれば、政治家が選挙等での支援を期待して統一教会と癒着し、その式典等(ダミー団体を含む)に出席して祝辞を述べたり、賛同メッセージを送ったりすれば、霊感商法や多額献金で日本人の信者から全財産を吸い上げる悪質極まりない反社会的行為に〝お墨付き〟を与えることになる。そんなことは健全な社会常識を弁えた者であれば優に理解できよう。
 にもかかわらず、多くの政治家が選挙支援や票欲しさからかかる反社会的邪教集団と癒着してきたのである。この一事を見るだけでも「政治家のセンセイ」と呼ばれるお歴々の実態が分かろうというものだ。これらの輩は「政治家」などと言うも愚か、国民を騙して国家を食い物にして甘い汁を吸う「政治屋」でしかない。上っ面は国家・国民のことを考えている〝フリ〟をしているが、中身はヤクザと同じだ。国民の痛みなど微塵も感じない人種なのである。

岸信介文鮮明

 統一教会と関わりを有する政治家は大勢いるが、殊に自民党安倍派(清和会)の議員は統一教会とズブズブの関係にある。このことは日本に侵出して間もない時期の統一教会を支援してきたのが安倍晋三の祖父で「昭和の妖怪」と言われた岸信介元首相であることを踏まえると合点がいく。
 すなわち、昭和39年当時、日本の統一教会本部は岸信介の自宅の隣に存在した。岸は統一教会本部が同所から移転した後も本部に足繁く通って「反共(反共産主義)」の立場で一致する統一教会の信者を激励したり、統一教会の政治部門「国際勝共連合」の設立にも尽力したりした。
 また、岸は昭和49年に文鮮明が開催した晩餐会で名誉実行委員長を務め、席上、当時大蔵大臣だった福田赳夫元首相に「アジアに偉大なる指導者現る。その名は文鮮明」などと文鮮明を絶賛させている。
 さらに、岸は昭和59年、文鮮明アメリカで脱税の有罪判決(懲役1年6カ月)を受けて収監された際、当時のレーガン大統領に対し「文尊師は、現在、不当にも拘禁されています。貴殿のご協力を得て、私は是が非でも、できる限り早く、彼が不当な拘禁から解放されるよう、お願いしたい」「文尊師は、誠実な男」「彼の存在は、現在、そして将来にわたって、希少かつ貴重なものであり、自由と民主主義の維持にとって不可欠」などと記した嘆願書まで送付している。これらを見れば、岸と文鮮明の蜜月ぶりが尋常ではないことがわかる。

深刻な政界汚染

 統一教会と濃厚接触してきた国会議員は、現在、自民党のみならず野党の立憲民主党日本維新の会、国民民主党の中にも大勢おり、その数120人超とも言われている。
 統一教会はなぜかくも大勢の議員を籠絡することができたのか。この点については、統一教会が議員を手懐けるために、統一教会の秘書養成所で訓練された女性信者の秘書を議員のもとに送り込み、チラシ配りや電話での選挙運動を無償で行わせてきたからと言われている。かくして統一教会は、それらの議員をもはや統一教会の支援無しには政治活動ができない状態に陥らせ、或いは送り込んだ秘書を通じて議員の弱みを握るのだという。あたかも薬物中毒者と売人に似た関係を構築することで、統一教会は政界に深く巣食うことに成功したと言えよう。
 そして、統一教会はそれらの議員を広告塔として信者等を信用させるために利用し、また、「政治の力」で反社会的行為の摘発を抑え込んでもらってきたのだろう。
 統一教会による政界汚染が深刻なレベルである以上、今後、統一教会による不当な政治介入の有無、「正体隠し」が目的だったと疑われている名称変更問題等について徹底的に調査・追及する必要がある。

謗法団体に支えられる自民党

 ある野党の参議院議員がSNSに「創価学会の票で当選し 統一教会の秘書を使って
日本会議の政策を実現する…自民党清和会特有のこうした歪な政治構造が、日本の政治を歪める元凶」と投稿していたが、言い得て妙である。
 現在の自民党戒壇の大御本尊様を捨て奉り「極限の大謗法」を犯した学会、外道の教えで人々を苦しめる統一教会、「神国日本」を目論む邪教生長の家原理主義者たちが中核を担う日本会議等の謗法団体とあまりに密接な関係を有している。これが実態である。
 かような自民・公明連立政権が国政を担っていることは日本にとって由々しき事態であり、亡国が加速すること必定である。
 次回から統一教会と政治家の繋がりについて具体的に触れていきたい。(天皷)