世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

「統一教会」による政界汚染の深すぎる闇(2)

世相閻魔帳㊽「顕正新聞」令和4年9月5日号

 前号掲載の本コラムでは主に
 ①反日思想の文鮮明が韓国で立ち上げた邪教統一教会」(現・世界平和統一家庭連合)は、単なる新興宗教反日カルトではなく、「霊感商法」や「合同結婚式」等の反社会的行為によって日本を食い物にする悪質な〝反社会的邪教集団〟であること
 ②政治家が統一教会や関連団体の式典等に祝辞や賛同メッセージを送ることは彼等の反社会的行為に〝お墨付き〟を与えることになるにもかかわらず、選挙支援や票欲しさから統一教会と癒着する政治家が自民党安倍派(清和会)を筆頭に野党も含めて大勢いること
 ③現在の自民党戒壇の大御本尊様を捨て奉る「極限の大謗法」を犯した創価学会、外道の教えで人々を洗脳して苦しめる統一教会、「神国日本」を目論む邪教生長の家原理主義者が中核を担う日本会議等の謗法団体と極めて密接な関係を有していることを述べた。
 今回は、山上徹也容疑者から「現実世界で最も影響力のある統一教会のシンパ」と評され、同人に殺害された安倍晋三元首相と統一教会の具体的な関わりについて述べる。

安倍と統一教会の接点

 安倍と統一教会の関わりがはじめて表沙汰になったのは平成18年5月、安倍(当時官房長官)が福岡で開催された統一教会合同結婚式を兼ねたイベント「天宙平和連合(UPF)祖国郷土還元日本大会」に祝電を送った件とされている。当時、安倍は北朝鮮による拉致問題に精力的に取り組んでいたようだが、その裏で北朝鮮との繋がりが指摘される統一教会と関わっていたとなれば、拉致被害者家族ひいては国民への重大な裏切りと言えよう。
 第二次安倍政権発足以降、安倍と統一教会の関わりは次々と表沙汰になり、その態様もより濃密なものへと変貌している。
 例えば平成25年7月の参院選において、安倍は地元山口の自民党比例区から立候補した北村経夫の後援を統一教会に依頼し、当選させた。北村の祖母は邪教天照皇大神宮教(踊る宗教)の開祖・北村サヨであり、同人は安倍の祖父で日本に侵出して間もない時期の統一教会を支援した岸信介元首相と非常に親交が深かった。そうした関係もあり、安倍は落選する可能性が高かった北村を何としても当選させるべく反社会的邪教集団を頼ったのだろう。
 また、安倍は統一教会のダミー団体「世界戦略総合研究所(IGS)」の事務局次長・小林幸司を平成25年から28年にかけて「桜を見る会」に毎年招待している。ちなみに、安倍は自民党下野時代の平成22年と24年に開催された同ダミー団体のシンポジウムに講師やパネリストとして参加していた。安倍は各界功労者の慰労を目的とする同会を私物化し、悪徳マルチ商法で逮捕された「ジャパンライフ」の元会長や反社会的勢力と見られる人物までも招待していたが、反社会的邪教集団の関係者も例に洩れず招待していたわけである。
 平成28年には日本の統一教会々長・徳野英治を、安倍はわざわざ首相官邸に招いているから唖然とする。この年に当選したトランプ大統領との会談も統一教会の人脈を使ったと言われている。また、同年より統一教会の学生信者を中心とする「勝共UNITE」なる組織が安倍政権批判を展開する学生団体に対抗し、全国で「安倍政権を支えよう」「憲法改正支持」「安保法制賛成」などと書かれたプラカードを掲げたデモ等を活発化させていった。
 さらに、令和4年7月の参院選では宮島喜文(元自民党参議院議員)が「安倍元総理に会って相談した。(統一教会側に)また支援していただくことは可能か相談した」そうだが、安倍に拒まれて出馬を断念している。統一教会と接点を有する伊達忠一(前参議院議長)も同様の証言をしている。この一件から、統一教会の支援が無ければ当選不可能な議員がいること(統一教会に都合よく利用されやすい議員がいること)、自民党において統一教会票を差配する元締めが安倍であったことが明らかになったと言えよう。

韓鶴子を絶賛した安倍

 極め付きは令和3年9月12日、韓国で開催された統一教会のダミー団体(UPF)の集会である。安倍は同集会にリモートで登壇し、「今日に至るまでUPFと共に世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁を始め皆様に敬意を表します」などと韓鶴子文鮮明の妻で統一教会総裁)を絶賛してみせたのだ。
 無論、政界に大きな影響を及ぼし得る日本の元首相が日本を食い物にする反社会的邪教集団の親玉に敬意を表することは断じて許されない。これは日本が国家として統一教会とその反社会的行為に〝お墨付き〟を与えるに等しいばかりか、政治家との癒着が断たれれば忽ち消え失せるであろう反社会的邪教集団を〝日本の権力者が敬意を表するほど強大で社会的に認められた活動をしている素晴らしい組織〟と統一教会信者に錯覚させ、以て統一教会が信者から高額献金を貪り易くすることに加担する極めて悪質な所為である。

安倍を追悼・献花

 統一教会としては反社会的行為を警察に摘発されたり、国会で追及されたりすることを是が非でも阻止すべく、様々な態様で政治家に接近していったものと窺われる。中でも岸信介の代から統一教会と蜜月関係にある安倍は、統一教会にとって非常に利用価値の高い政治家であったことは疑いなく、それゆえに安倍の死は大きな痛手であろう。
 ちなみに、統一教会のダミー団体(UPF)は本年8月、韓国で大規模イベントを開催したが、その最中に安倍の遺影を大型スクリーンにデカデカと映し出し、「統一と平和のための運動にご尽力された」と安倍を追悼し、献花する時間を設けた。〝統一教会のために尽力してくれてありがとう〟というわけだ。
 だが、そもそも文鮮明の教えは「日本はすべての物資を収拾して本然の夫であるアダム国家・韓国に捧げなければならない」というものであるから、統一教会信者からすれば日本人の安倍が統一教会に尽力したことは〝当然の義務を忠実に果たしただけ〟という程度の認識ではないのか。また、同イベント会場内に日本のメディアがいたことも踏まえると、安倍の追悼・献花は統一教会が日本国内の信者等に向けて安倍との蜜月ぶりをアピールするためのパフォーマンスであり、利用価値のある安倍を死んでもなおしゃぶりつくそうとする魂胆の顕れと思えてならない。自民党安倍派の面々は抗議の一本でも入れるべきではないのか。

安倍の正体

 以上、安倍と統一教会の接点を幾つか取り上げたが、「戦後レジームからの脱却」だの「日本を取り戻す」だのと宣っていた安倍の正体が〝韓民族に重い罪を犯した日本はすべての物資を収拾して韓国に捧げなければならない〟との妄説を弄して日本を食い物にする韓国発の反日カルト・反社会的邪教集団である統一教会に加担する〝売国奴〟であったことは明白であろう。
 これまで安倍のことを〝偉大な指導者〟であるかのように讃え、モリ・カケ・桜・河井等の安倍に関する疑惑を低劣なウソや屁理屈で誤魔化し、安倍を正当に批判する者に「反日」とのレッテルを貼っていた自民党議員や右派論客が今度どのように身を振るのか、見物である。
 「女性自身」の試算によれば、安倍の「国葬」費用は警備費用を含めると総額で「37億円」にものぼるという。森友事件で赤木俊夫氏を自殺に追い込んだ冷酷非道の大罪人で売国奴の安倍を「国葬」にするなど言語道断である。(天皷)