世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

化けの皮が剥がれた自称「国際政治学者」三浦瑠麗

世相閻魔帳64「顕正新聞」令和5年2月25日号

 東京地検特捜部は本年1月19日、自称「国際政治学者」三浦瑠麗の夫・三浦清志が代表を務める太陽光発電関連の事業を行う会社「トライベイキャピタル」の家宅捜索を実施した。同社には太陽光発電事業への出資を名目に約10億円を詐取した疑いがあるという。
 警察ではなく特捜部(検察)がわざわざ本件を捜査している理由・狙いは「太陽光発電利権の闇に切り込むため」との見方が有力のようだ。
 すなわち太陽光発電施設は福島原発事故後、再生可能エネルギーを普及させることを目的として創設された制度「FIT」(固定価格買取制度)によって増加した。
 株式投資とは異なり、市場の影響を受けずに確実な利益を得られる事業として注目されたのだが、太陽光発電事業を始めるためにはパネルを設置する広大な土地(及びそれを取得するための巨額資金)は勿論、各種許認可を得る必要がある。
 そこに胡散臭い連中が目をつけ、高値で権利の売買をしたり政治家にカネを流したりという疑惑が浮上していたほか、実際に太陽光発電の用地取得を巡ってトラブルも発生していた。こうした闇の部分に特捜部が切り込もうとしている、というわけだ。
 無論、太陽光発電そのものは悪いものではない。そこに群がる魑魅魍魎が暗躍していることが問題なのだ。
 特捜部が利権に群がる汚い連中を締め上げることに期待したい。

三浦瑠麗とは

 三浦は数多くのテレビ番組・新聞・雑誌等のマスメディアで安倍・菅両政権を露骨に持ち上げ、或いは擁護し、お茶の間に「苦笑」「苛立ち」「嫌悪感」を惜しみなく提供していた御仁だ。
 ために三浦がAmazonプライムのCMに出演した際には、日本では珍しく「解約運動」「不買運動」が巻き起こり、瞬く間に同CMは放送されなくなった。
 やたらと上から目線・偉そう・話が長くて分かりにくいと評判の三浦の人物像を知るには同人の過去の発言を確認するのが手っ取り早い。
 三浦は森友事件に関する安倍晋三の国会答弁が原因で近畿財務局の赤木俊夫氏が公文書改ざんという犯罪を強要されて自死に追い込まれた件に関し、実際に自殺者が出ているにもかかわらず、安倍を擁護するために「人が死ぬほどの問題じゃない」と極めて冷酷な発言をして多くの人の神経を逆なでした。
 新型コロナ対策として安倍が500億円以上かけて「1世帯に布マスク(アベノマスク)2枚配布」を打ち出した際、三浦は「布マスクうちはありがたいですよ(中略)郵便を利用してプッシュ型支援をやったのは画期的だから、引き続き他の経済対策も頑張って下さい」と涙ぐましいまでに安倍を応援した。
 余談だが、三浦はテレビ番組で安倍の国葬を支持する理由を述べる中で「大喪の礼」を「〝たいも〟のれい」と読み間違えた。「村八分」という言葉の意味も誤って説明していたこともある。三浦の日本語能力は少なくとも学者のそれではない。

統一教会問題を巡る異常な言動

 率直に言って三浦は冷酷かつ非常識なバカなのだが、それが顕著に表れていたのが「反社会的邪教集団」「反日カルト」たる統一教会の問題に関する言動の数々だろう。
 安倍を殺害した山上徹也の家庭が統一教会に財産を収奪されて崩壊した件につき、あろうことか三浦は「たくさんあった財産が無くなったっていうのは、そんなに同情すべきか(中略)競馬でスッたって同じじゃないですか」「合法な活動で家庭が崩壊するケースはいっぱいあるのに、なぜ宗教法人(だと問題)になるか」と言い放った。
 三浦の狙いは、日本の信者を洗脳して財産を根こそぎ奪う「統一教会の反社会的な手口による被害」と「賭博の負け」という明らかに異質な事柄を同列に扱い、統一教会問題を矮小化することにあったと思われる。
 なぜ三浦がもともと低い自身の評判をどん底に落としてまで統一教会を擁護するのか訝しく思っていたところ、先般の特捜部の家宅捜索後、三浦の夫の弁護士が「統一教会の顧問弁護士」で現役信者と言われている福本修也と判明したことで漸くその謎が解けた。
 何てことはない。三浦は自身の夫が統一教会関係者の世話になっていたのだ。だからこそ三浦は統一教会を擁護していたと言えそうだ。
 その後、三浦は慌てて「別の弁護士に担当を代わっていただく」「私としましては、旧統一教会による霊感商法等の活動を一切容認するものではありません」と発表したが、つい先日まで統一教会の反社会的な手口による被害を「競馬でスッたって同じ」「なぜ宗教法人(だと問題)になるか」と言っていたのは他ならぬ三浦だ。これを御都合主義という。

利益誘導の疑い

 このような三浦が政権ヨイショの見返りかは知らないが、安倍・菅両政権で国の政策決定にかかわる「未来投資会議」や「成長戦略会議」等の政策会議に民間議員(有識者)として名を連ねていたからクラクラする。
 だが問題はそれだけにとどまらない。三浦は政策会議の場で太陽光発電推進に関する発言を繰り返し、また令和3年4月12日に行われた「成長戦略会議(第9回)」では「グリーン資産への証券投資」(グリーンボンドへの投資等)を提言していた。
 冒頭で述べたとおり、三浦の夫のビジネスは太陽光発電事業だ。つまり三浦の提言を政策に反映すると三浦の夫が儲かりやすくなる。実際、三浦の夫の会社は三浦の前記提言後、早速グリーンボンドの発売を発表したというではないか。
 要するに、三浦は政府会議において公平中立であるべき民間議員の立場でありながら、その実、夫の会社の広告塔としてビジネスの宣伝・売り込みを行うという「利益誘導」「ステルスマーケティング」(それが宣伝と気づかれぬよう宣伝すること)に及んでいた疑惑があるのだ。
 この一事で三浦は「言論人失格」と言わねばならない。

三浦夫妻は実質一体

 マスコミは敢えて報じていないが、今般、特捜部が家宅捜索を実施した三浦の夫の会社(トライベイキャピタル)の所在地は、三浦が代表を務める会社「化け猫…」もとい、「山猫総合研究所」の所在地と同一であり、両社は同じビルの同じフロアでほぼ全てのスペースを共有している。
 また三浦は過去に「私たち夫婦って、その経営を通じてパートナーシップを結んでいるわけですね。お互いからすれば、そのパートナーシップの方が婚姻届の紙1枚よりよっぽど重い」「お互いの会社の株をほぼ半々で持ち合っている」と述べ、夫との一体性を強調していた。
 しかるに姑息な三浦は家宅捜索後「夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない」と二枚舌を使った。三浦の言い分を無批判で垂れ流しているマスコミも情けない。

夫の怪しい交友関係

 加えて一部の情報誌等によると、三浦の夫は「令和の政商」や「菅と二階を操る男」と呼ばれている大樹総研の会長・矢島義也(本名は義成)をはじめ相当な曲者たちと繋がっているらしい。
 またトライベイキャピタルの所在地には、他にも数多くの会社等が登記簿上存在している。それらを掘り下げると実に様々な団体や人物の名前が芋づる式に出てくる。
 例えば「和歌山観光開発」。同社の代表は松井一郎大阪市長日本維新の会顧問)の政治団体の会計責任者を務める中川廣次だ。三浦が橋下徹との共演が多く、現在も大阪維新の会の公認候補者の選考委員を務めていることも頷ける。
 他には既に閉鎖されている「一般社団法人エネルギー安全保障研究所」(三浦の夫が代表理事、三浦の妹が理事を務めていた)。
 同法人のかつての所在地は、昨年3月に詐欺で得た暗号資産を現金化したとして組織犯罪処罰法違反の容疑で逮捕された「佐藤尚」が代表を務める再生エネルギー事業関連会社「GOLDEN RUSH」の所在地と同一だった。三浦の夫が反社紛いの佐藤と繋がっていた可能性もありそうだ。
 政府やマスメディアは、かような夫と実質一体の三浦瑠麗を重用してきたのだ。猛省すべきだろう。
 このような、いかがわしい輩ばかりが跳梁跋扈している日本には暗澹たる思いしか湧かない。全日本人は
 「日蓮によりて日本国の有無はあるべし」
 との重大聖語を叫ばれる浅井先生の諫暁の師子吼に早くめざめなければいけない。(天皷)