世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

深刻な「低迷」「停滞」に喘ぐ宗門の実態

世相閻魔帳89「顕正新聞」令和6年3月5日号

 日蓮正宗(宗門)の甲信布教区で発行されている機関紙「甲信たより」(第181号)に掲載された甲信布教区宗務支院長・石山寿恩の「年頭の辞」には
 「法主上人(早瀬日如管長)は、『広布の戦いは、けっして停滞があってはならない。停滞は後退につながるからであり、後退は敗北である(趣意)』と、『前進』することの大事を御指南遊ばされました
 と記されていた。
 しかし前回の本コラムで述べたとおり、早瀬管長の発破も虚しく勧誘が著しく「停滞」している宗門は、令和4年末時点の信者数が前年同日時点と比較して3500人も減少、すなわち「後退」してしまった。
 石山が引用した早瀬管長の説法に従えば、宗門は「広布の戦い」なるものに「敗北」したことになる。早瀬管長は宗門が「敗北」したこと、「法華講員80万体勢構築」が大ウソであり、宗門僧俗を欺いたことを素直に認めるべきだろう。
 以下、御本仏一期の御遺命に違背し続けているために凋落の一途を辿る宗門の悲惨な実態や迷走ぶりに触れておく。

勧誘が進まない宗門

 早瀬管長が令和3年元旦に大ウソだった80万体勢の達成を宣言した頃より、宗門の勧誘は遅々として進んでいないらしい。
 このことは文化庁発行の「宗教年鑑」に掲載された宗門の信者数のほか、信者を代表する法華講連合会委員長・関野洋夫の泣き言を見れば明らかだ。
 「ここ三年、コロナ禍もあってか、法華講全体としても折伏の進捗は低迷していました」(「大白法」令和5年1月1日号)
 「ここ三、四年、コロナ禍や活動者の高齢化等により、折伏状況は停滞しておりました」(「大白法」令和6年1月16日号)等々。
 聞くところによれば、全国に597ある法華講支部のうち昨年(令和5年)の勧誘ノルマを達成した支部は僅か10数カ寺と、悲惨極まる様相を呈しているという。
 令和7年1月の「大白法」には、もっと正直に「法華講折伏は後退しています」と書いてほしいものだ。

高齢化で活動者減少

 また関野が告白しているとおり、宗門では「活動者の高齢化」が顕著らしい。
 嫌々勧誘に駆り出されたり、登山ノルマ達成のためほぼ毎月カネを払って登山させられたり、事あるごとに供養を毟り取られたりと散々な仕打ちを受けた挙句、懸命に活動した人ほど臨終に悪相を現じる様を眼前にすれば、若者に限らず誰だって宗門では活動したくなくなるだろう。
 ちなみに関野が所属し、宗門の渉外部長・梅屋誠岳が住職を務める神奈川県横浜市の宗門末寺「久遠寺」で開催される「青年部座談会」や「青年部勉強会」には、せいぜい5~6名程度しか参加していない。
 都市部にあり、宗門の中では組織規模が比較的大きいとされる久遠寺でかような状況なのだから、他の末寺、ことに地方の末寺の高齢化は凄まじいことだろう。
 久遠寺では若者の気をひこうと「納涼祭」や「お餅つき大会」など下らぬイベントを実施している。久遠寺に限らず他の末寺も似たような活動をしているそうだが、もはや自治会や町内会の活動と大差ない。

かるた遊びが信心育成?

 また昨年に開催された久遠寺の青年部座談会では、大学生か新社会人くらいの年齢の信者数名が僧侶らと「仏道修行実践かるた」で遊んでいた。
 あまりの幼稚さに頭がクラクラするが、これが宗門の実態なのである。お寒い限りだ。
 余談だが「仏道修行実践かるた」なるものは、宗門関係の書籍を発行する会社「大日蓮出版」が販売しているものであり、価格は1980円と少々お高い。
 ある宗門末寺の住職は、この「仏道修行実践かるた」を取り上げて、次のように指導していた。
 「『仏道修行実践かるた』は『謗法厳誡の信仰』をマスターするための読み句です。折伏に関わらず、信心修行全般にわたり、特に育成を重点とした読み句です。御本尊から大きな功徳をいただくための『かるた』です」と。
 ざっと読み句を見てみたが、これが宗門の「仏道修行の実践」だそうだ。
【ち】「貯金箱 貯めた御供養 まごころで」
【な】「なんとしても 達成しよう 誓願目標」
【ぬ】「脱ぎ捨てず はきものそろえ 心ととのう」
【は】「晴れやかに 姉弟そろって 七五三」
【ま】「豆まきの かけ声高く 福は内」
【や】「やるとやらざる とでは大違い 追善供養は忘れずに」
【ら】「来週は もっと成長 鼓笛隊」
【る】「ルーティーン すべてがまずは お題目」
 あまりの低レベルにため息しかでない。
 しかも「かるたを通じて信心を育む」という発想は邪宗の模倣らしい。
 邪宗日蓮宗(身延派)は「日蓮聖人カルタ」、浄土真宗は「真宗カルタ」、曹洞宗は「禅カルタ」、臨済宗は「禅語カルタ百句」というように多くの邪宗も概ね似たような目的でカルタを販売しており、真言宗も「いろはカルタで知る高野山」なる企画等を催している。
 衰退の一途を辿る宗門が、苦肉の策として邪宗の取り組みをそのまま模倣したとするならば、生粋の「バカ」としか言いようがない。

仏敵・身延派と交流

 さらに現在の宗門僧侶には信心の欠片もなく、あろうことか戒壇の大御本尊様を怨嫉する仏敵・身延派と平然と誼を通じるまでに至っている。
 昨年11月に立正大学で開催された「第七十五回 日蓮宗教学研究発表大会」(総裁は邪宗日蓮宗管長・菅野日彰、大会役員は全員身延派関係者)のプログラムを確認したところ、発表者の欄に宗門僧侶・堀部正円の名前があった。
 「日蓮正宗教学研鑽所」に所属している堀部は、己の知識をひけらかして悦に入るだけの論文を作成するために、身延派坊主らの懇切なサポートを受け、これまでに何度も同大会で身延派坊主に交じって研究発表を行っていた禿人であるが、どうやら昨年も立正大学にノコノコと赴いて身延派坊主の輪に入れてもらったらしい。
 無論これは堀部の独断専行ではなく、当然、早瀬管長の許可を得た上での行動だろう。
 ある身延派坊主は、早瀬管長の登座以降、宗門の身延派に対する姿勢が軟化し、従前の宗門では許容されなかったことが許容されるようになったこと、また宗門僧侶とは普通に交流していることを明かしている。
 要するに早瀬管長以下、現在の宗門僧侶は日興上人の身延離山の大精神を全く持ち合わせていないのだ。このような輩が「折伏」「謗法厳誡」などと口にしているのだから、どうかしている。

五体投地の懺悔をせよ

 以上、宗門の悲惨な実態、迷走ぶりの一部を取り上げた。
 著しい衰退の事実を信者に知られたくない宗門は、早瀬管長の登座直後の平成18年には約2万7000人だった初登山の人数がコロナ禍以前の令和2年の時点で約1万7000人にまで激減した事実を浅井先生に指摘されて以降、初登山の人数を公表しなくなった。
 本年の初登山の人数も「大勢」と誤魔化しているところを見ると、もはや公表すらできないほど減少しているようだ。
 かつて浅井先生は
 「なぜ御遺命に背いた大罪を、大地に身を投げて大聖人様にお詫び申し上げないのか。この改悔なくしては、弘通など口にする資格もないではないか。所詮、学会も宗門も、大聖人様を忘れているのである。大聖人の御眼を恐れてない。これを無道心というのである
 「オママゴトはやめて、ただ御遺命違背の大罪を大聖人様に謝し奉り、真摯に出なおさなければいけない
 と強烈に叱責されたが、いい加減、宗門は大聖人様に対し奉り五体投地の懺悔をすべきだ。(天皷)