世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

自称「80万体勢」を未だに達成していない宗門の謎

世相閻魔帳59「顕正新聞」令和5年1月5日号 

 令和4年12月9日、「文化庁」による全国の宗教団体の「信者数」等に関する調査結果をまとめた資料「宗教年鑑」(令和4年版)が公表された。
 そこには「日蓮正宗」(宗門)の令和3年12月31日時点の信者数が
 「78万9500人
 と記載されている。
 1年前に公表された「令和3年版」と見間違えたのかと一瞬頭が混乱したが、何度見直してもやはり「令和4年版」の数字なのだ。
 令和2年12月31日時点の信者数が掲載されている令和3年版では「78万2300人」だったので、1年間でわずか「7200人」しか増えていないことになる。しかも100人単位の数字がいかにもテキトーだ。この調子だと1年後も「80万体勢」は未達成だろう。
 「80万体勢」の大法螺を吹いた早瀬日如管長に宗門僧俗が愛想を尽かし、より強力な遠心力が働き、もはや宗門の退潮は歯止めがかからないことが窺われる。
 以下、改めて早瀬日如管長による「80万体勢」の偽計大失敗と末期症状を呈する宗門の実態について触れておく。

大ウソの達成宣言

 早瀬管長は平成21年に「平成三十三年(※令和3年)、宗祖日蓮大聖人御誕生八百年までには、御誕生八百年にちなんで、法華講員八十万人の体勢を築き、大法広布に資していきたい」などと下らぬ思いつきで「80万体勢」なるものをぶち上げた。
 目標とした令和3年が近づいてくると、宗門は「御命題達成の御祈念」なる観念文を拵えて全法華講員に勤行のたびに祈らせてみたり、宗内全僧俗に1日2時間の唱題を百日間行なわせる「百日間唱題行」なる馬鹿げたことを強要したりした。
 かくて早瀬管長は令和3年元旦
 「宗門は、去る平成二十一年七月、総本山に於ける七万五千名大結集の砌、『法華講員八十万人体勢構築』の誓願を立て、(中略)今回、見事に誓願を達成することが出来ましたことを心からお祝い申し上げます」(「大日蓮」令和3年1月号)
 「宗門は此の大佳節を迎えるに当たり、『法華講員八十万人体勢構築』の誓願を立て、僧俗一致・異体同心して、勇猛果敢に折伏戦を展開してきた結果、日本国内寺院所属の法華講員の総計が八十万人を超え、見事誓願を達成することが出来ました」(「大白法」令和3年1月1日号)
 と「80万体勢」の達成宣言をしてみせたわけだが、前述のとおり「宗教年鑑」(令和3年版)で令和2年12月31日時点の宗門の信者数が「78万2300人」と公表されたため、早瀬管長の達成宣言が「大ウソ」だったことがバレてしまったのだ。

眉唾物の信者数

 そもそも文化庁の資料に記載された宗門の信者数はおよそ信用できない。なぜなら宗門の信者数の推移には幾つもの不可解な点があるからだ。
 一例を挙げる。宗門は文化庁に対し〝平成27年には信者が6万人増えた〟と報告しているが、早瀬管長が「全国各講中折伏達成数を総計すると、見事目標を達成」と誇ってみせた翌28年はわずか2000人しか増えていないのだ。
 勧誘成果が前年比97%減などという極端な差異が生じることは通常考えられない。「見事目標を達成」していたのであれば尚更である。

大草一党の謗法与同を追認

 しかも宗門は「80万体勢」の達成宣言後に発出した令和3年1月5日付けの通達に「このたびの総計数には、理境坊妙観講支部折伏によるネパール国在住信徒等が含まれます」と記載したとおり、「80万体勢」なるものに妙観講(講頭は大草一男)のインド・ネパール等における勧誘成果(約10万人)を計上している。
 これまで本コラムが再三指摘しているとおり、大草一党はインド・ネパール等における勧誘でヒンズー教の本尊や釈迦の絵像仏像を祀ったり、邪教の団体を利用したりという謗法与同と騙し討ちに近いデタラメ勧誘(「御授戒」を「改宗」ではなく「祝福」と謀るなどしていた)を行っていた。
 かかる経緯で法華講員として計上された現地人の大半は、当然のことながら未だヒンズー教や釈迦仏法の信仰を保ち続けている。そもそも宗門に入信させられた自覚すら全くない者たちばかりだろう。
 だが早瀬管長はこうした大草一党の謗法与同とデタラメ勧誘の実態を知りながら、宗門僧俗の多くがその実態をよく知らないことをいいことに、帳尻を合わせるためにその勧誘成果を追認しているのだ。早瀬管長が発表した「80万体勢」がいかにデタラメなのかがよくわかる。
 ちなみに早瀬管長は大草一党の謗法与同を黙認する一方、宗門僧俗に対しては「謗法に対して破折もせず、そのまま放置しておくことほど恐ろしいことはありません。したがって、私どもは、大聖人様の仰せのままに謗法厳誡・折伏正規の宗是を厳守し……」(「大日蓮」令和4年10月号)などと偉そうに説法しているのだから、開いた口が塞がらない。

末期症状を呈する宗門

 国内における宗門の実態も惨憺たるものだ。
 例えば能化(次期管長候補)で教学部長の地位にある水島日叡が住職を務める「能安寺」(埼玉県所沢市)では〝信者獲得のために世間ウケのよい「釈尊」を前面に出し、日蓮大聖人の御事は敢えて匿そう〟と考えたのか
 「当寺は、釈尊(お釈迦様)に始まる仏教を唯一正統に伝える伝統宗派である日蓮正宗のお寺です」
 「ほかの伝統的な宗派のお寺と同じく、当寺も日蓮正宗という伝統宗派のお寺です。しかし、当宗は、お釈迦様が教えたとおりの教義を厳正に守り今に伝える唯一の宗派です」
 との摧尊入卑の悪言をホームページに堂々と掲載している。
 余談だが、能安寺所属の法華講員は令和3年10月、顕正会本部に夥しい数の迷惑電話(11日間で895回)をかけて業務を妨害したことを理由に逮捕され、その後、有罪が確定している(偽計業務妨害罪で罰金30万円の略式命令)。
 己の不品行を棚に上げ、信心の欠片も無く、信者の指導・監督もできず、宗門の夏期講習会で国立戒壇の御遺命と顕正会を誹謗・怨嫉しておきながら、顕正会教学部の糾弾から必死に逃げ続けている水島のような輩が「次期管長候補」の一人なのだから、宗門は末期症状だ。
 他にも末寺住職が供養金の着服、下着泥棒、飲酒運転、強制わいせつ致傷といった刑事事件等を引き起こした話もよく耳にするが、宗門の禿人が「俗より出でて俗より俗なり」と言われるのも頷ける。

餓鬼道に堕する

 早瀬管長がこうした国内外のデタラメ勧誘を追認していることを見れば、「80万体勢」なるものが広宣流布を見つめた道念が発露したものでないことは明白だ。
 所詮は「宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年」にかこつけて信者を増やし、禿人の食い扶持のために供養を収奪することが目的だったわけだが、むしろ宗門の衰退ぶりはますます深刻な事態に陥っていると言えよう。
 些か古い話になるが「週刊ダイヤモンド」(平成30年3月24日号)には「信者数激減で苦しむ日蓮正宗」と題する記事が掲載され、宗門の困窮ぶりが次のごとく報じられた。
 「かつては公称信者数で国内最大の仏教宗派であった日蓮正宗が今、危機的な状況に陥りつつあるという」
 「懸命に布教を行っても信者数が大きく増えることは期待できない中、『今後、多くの末寺が危機的な状況に陥るだろう』(末寺住職)という懸念が広がっている」と。
 当該記事が掲載されてから既に4年以上経過しているが、正月の初登山者が、早瀬管長が登座した直後の平成18年の約2万7000人から令和2年の約1万7000人と、実に約1万人も激減したことやコロナ禍の影響を踏まえれば、恐らく現在の宗門は当時以上に困窮して更なる危機的な状況に陥っていることは疑いないだろう。

五体投地の懺悔をせよ

 かつて浅井先生は「日蓮大聖人の唯一の御遺命は国立戒壇建立」と未だ宣示しない優柔不断な早瀬管長に対し
 「オママゴトはやめて、ただ御遺命違背の大罪を大聖人様に謝し奉り、真摯に出なおさなければいけない」
 「なぜ御遺命に背いた大罪を、大地に身を投げて大聖人様にお詫び申し上げないのか。この改悔なくしては、弘通など口にする資格もないではないか」
 と強烈に呵責されたが、御遺命違背の大罪につき五体投地の懺悔をしない限り、遠からず宗門の禿人らが餓鬼道に堕することは疑いない。(天皷)