世相閻魔帳116「顕正新聞」令和8年9月5日号
高市首相は現在、自身と同じく日本会議国会議員懇談会や神道政治連盟国会議員懇談会に所属する旧安倍派のいわゆる「裏金議員」を重用しているが、世間の常識に照らせば到底あり得ない。
裏金事件の概要と大甘処分で裏金議員を延命させた検察の腐敗した実態について述べる。
裏金事件とは
裏金事件とは、政治資金パーティー券の収入の一部を国民に公開する義務のある帳簿(政治資金収支報告書)に記載せず、私的に自由に使えるカネ(裏金)を作っていた事件のことだ。
旧安倍派では所属議員に政治資金パーティー券の販売ノルマを課し、ノルマ超過分については派閥が議員側に還流(キックバック)あるいは議員側が派閥に納めず中抜きするなどし、組織的に帳簿に記載のない裏金を作っていた。
政治資金の透明性を組織的に無視した点で極めて悪質であり、しかも平成30年から令和4年だけで旧安倍派の不記載は収入・支出合わせて約13億円、議員側への還流は約5億円に上るというからその規模も大きい。
一般国民が同じことをしたらどうなるか。個人事業主や会社の経理が多額の売上を隠せば、脱税等を理由に逮捕・起訴されるだろう。
しかし東京地検特捜部はわずか4名の議員と会計関係者らを起訴しただけで、その他大勢の裏金議員を不起訴として事件を終結させた。
この事件処理は明らかに不当かつ不公平であり、到底許されるものではない。
高市早苗と裏金議員
世間の会社ならば、巨額の帳簿操作や裏金作りに及んだ輩に対し、仮に同人が逮捕・起訴を免れたとしても即刻解雇するなど厳しく処分するのが通常だ。このような者を雇い続け、重要なポストを与えることなど到底あり得ない。
しかし高市首相は悪質な裏金事件に関わった旧安倍派の中心的議員らを〝選挙で禊が済んだ〟と言わんばかりに、次々と積極的に起用している。
萩生田光一を自民党の「幹事長代行」に、西村康稔を「選挙対策委員長」に、松野博一を「組織運動本部長」に起用し、その他の裏金議員も「副大臣」や「政務官」に起用するといった具合だ。
思うに、高市首相が裏金議員を重用する狙いは、自民党最大派閥だった旧安倍派を引き込むことで脆弱な党内基盤を補強し、邪な憲法改正という両者の共通目標の実現に向けた基盤を固めることにある。
冒頭で述べたとおり、高市首相と裏金議員は「日本会議国会議員懇談会」や「神道政治連盟国会議員懇談会」に所属する仲間同士であり、また現在自民党は戦後初めて単独で衆院定数の3分の2を上回る議席を獲得している。
高市首相と日本会議界隈の野望である憲法改正、ひいては明治憲法下の「神の国」復活に戦後最も近付いた状況にある以上、国民の感情を逆撫でしようが、裏金議員だろうが何だろうが、野望実現のためには手段を選ばないというわけだ。実に高市首相らしいやり口と言える。
検察の罪
今後、高市首相と裏金議員らが邪な改憲の実現に向けて蠢動する可能性は高い。かく見れば裏金議員を不起訴にして生きながらえさせた検察の罪はまことに重いと言わざるを得ない。
検察は権力を前にして腰砕けとなり、最初から大勢の裏金議員を不起訴にするつもりでいたのではないか。
当時、東京高検の検事長として裏金事件の捜査を統括する立場にあった畝本直美は、大勢の裏金議員が不起訴となった翌日、検事総長(検察トップ)に就任した。「露骨なごほうび人事」「巨悪を助けて出世コース」などと批判の声が上がるのも無理はない。
特捜部の主任検事(キャップ)として裏金事件の捜査現場を指揮したのは、畝本の〝直弟子〟と言われる西田将仁だった。(検事任官前の司法修習中に畝本から直接指導を受けていたと一部で報じられている)
この西田という御仁は、裏金事件とは別の事件で取り調べた女性と繰り返し性的行為に及ぶなど不適切な関係を継続し、他事件の取り調べのために公費で押さえたホテルでも業務後に女性と性的行為に及び、電子マネーまで受け取っていたという。この職権乱用が発覚したことで、本年7月29日に懲戒免職処分となっている。
これまさに前代未聞の不祥事であり、日本の検察史上最大のスキャンダルと言っても過言ではない。
かような西田が裏金事件の捜査指揮を適切かつ公正に執っていたとは到底思えない。それどころか〝裏金議員と何らかの裏取引をしていたのではないか〟との疑念すら湧いてくる。
不祥事続きの検察
余談だが「森友学園」への国有地売却や決裁文書改ざん問題(森友事件)で佐川宣寿元国税庁長官や財務省幹部38人全員を不起訴にしたのは大阪地検特捜部だったが、当時同庁の次席検事(ナンバー2)は畝本直美の夫・毅だった。
また、当時同庁の検事正(トップ)だった北川健太郎は令和6年、在任中に酩酊した部下の女性検事を自宅に連れ込んで性的暴行を加えたとして、準強制性交罪で逮捕・起訴されている。
安倍が関連する事件を担当した検事が、犯罪を取り締まるべき検事にあるまじき輩ばかりなのは果たして偶然か。あるいは政治権力に屈したことで、正義感や倫理観までもが崩壊し、箍が外れてしまったのか。
その他、元東京地検特捜部キャップの堀木博司(大阪高検検事)についても、取り調べの際に「検察庁を敵視するってことは反社(反社会的勢力)や」などと被疑者を罵倒したことで、特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判にかけられることが本年6月に決定している。
検察の腐敗は極めて深刻である。
急ぎ仏国建設を
ちなみに現在、高市首相サイドが関わったとされる政治とカネをめぐる複数の疑惑について、学者やジャーナリストらが検察に刑事告発しているが、検察がこれらを不問に付すことは目に見えている。
また今後、高市首相や安倍晋三の残滓たる裏金議員ら日本会議界隈の面々が野望実現に向けて形振り構わず突き進む過程で仮に法に触れるようなことがあっても、検察がそれらを厳しく取り締まることは期待できない。
「神の国」への回帰を阻止し、急ぎ広宣流布して三大秘法を根本の指導原理とする王仏冥合の仏国を建設し、国家権力そのものを妙法化しなければならない。(天皷)



