世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

教学研鑽所の謗法与同を糊塗する「慧妙」の愚

世相閻魔帳72「顕正新聞」令和5年5月15日号 

 本コラム「身延派と誼を通じる宗門の腐敗堕落」(「顕正新聞」令和5年3月5日号)と「謗法僧らと交歓する宗門の悍ましき実態」(同月15日号)にて、宗門及びその研究機関たる「日蓮正宗教学研鑽所」(以下「研鑽所」という)の謗法与同と腐敗堕落した活動実態を暴かれて居たたまれなくなったのか、妙観講々頭・大草一男が編集・発行に関与している宗門謀略紙「慧妙」(本年4月16日号)が一面に「謗法の何たるかも解らぬ低劣な顕正会狂学!?」「日蓮正宗教学研鑽所を誹謗する『顕正新聞』の愚」と題する駄文を掲載した。
 苦しい弁明を必死に並べ立て、懸命に「顕正新聞』の戯れ言に振り回されることがなきよう」と宗門僧俗に警告を発しているところを見ると、どうやら相当な痛手だったらしい。

「仏敵」と誼を通じる

 そもそも身延派(邪宗日蓮宗)が戒壇の大御本尊様を怨嫉する「仏敵」「大謗法の徒」であることは、身延派の僧侶で立正大学助教授の安永弁哲が書いた悪書「板本尊偽作論」の下劣極まる悪言の数々を見れば火を見るよりも明らかだ。
 しかるに宗門は対学会抗争を有利に進めるため、あろうことか「仏敵」たる身延派と連携し、身延派の悪僧らを大石寺に招き入れて歓待したり、宗門僧俗が身延派寺院に参詣したりと交流を深めていった。
 また現在、早瀬日如管長が身延派への対抗意識で発足させた研鑽所に所属する禿人どもは、身延派の学術大会「日蓮宗教学研究発表大会」をはじめ様々な邪宗の学術大会等に積極的に参加し、そこで邪宗関係者を破折するわけでもなく、広宣流布とは全く無関係の自己満足にしかならない衒学的な研究内容を発表し、邪宗関係者らと親交を重ねている。

慧妙の苦しい弁明

 かかる宗門の謗法与同・腐敗堕落を正当化せんと、慧妙は苦しい弁明に終始している。いわく
 「教学研鑽所の御僧侶方は、大聖人の御法門を研鑽し心肝に染められている。その上で、さらに見識を深めて本宗の正義顕揚に資するべく、天台や他宗他門の教義等を含めての研究も進められているのである」
 「教学研鑽所の所員である御僧侶方が、聴衆たる邪宗謗法の徒を前にして研究発表を行うことは、『謗法与同』どころか、邪宗謗法の徒に向けて堂々と正義を顕揚されているのであり、まさにそれこそ教学研鑽所が掲げる『本宗伝統法義の護持宣揚』に他ならない」
 「他宗他門の研究者も最新の研究成果を発表するのであるから、教学研鑽所の御僧侶方にとってそれは、『布教の進展に必要な』破折対象の資料が入手できる場、ということでもある」等々。
 慧妙は「正義顕揚」と言えば免罪符になるとでも思っているのか、グダグダと下らぬ言い訳ばかりを並べているが、大聖人様の
 「法華経の敵を見ながら置いて責めずんば、師檀ともに無間地獄は疑いなかるべし。乃至、何に法華経を信じ給うとも、謗法あらば必ず地獄にをつべし」(曽谷抄)との御金言、日興上人の「謗法と同座すべからず、与同罪を恐るべき事」(遺誡置文)との御遺誡に背く大罪を恐れよ。
 だいたい第六天の魔王その身に入りし池田大作に諂って御本仏一期の御遺命を売り渡した無道心・師敵対の宗門が「本宗伝統法義の護持宣揚」などと、どの口が言うのかと言いたい。

無益な研究に耽る

 また慧妙は「研究発表の内容について云々するならいざ知らず、内容も事情も歴史も知らない門外漢が、上辺だけの中傷をするのは笑止千万!」などと減らず口を叩いているが、ならばご要望に応えて、研鑽所員の中で最も積極的に邪宗の学術大会に出向いて研究発表等を行っている長倉信祐の論文の一部を紹介しよう。
 長倉は平成28年11月11日、叡山学院(天台宗の僧侶養成機関)で開催された「第58回天台宗教学大会」にて「荊渓湛然(※妙楽大師のこと)と唐代密教――李華との思想交渉を中心に――」と題する発表を行っているが、この論文(印度學佛敎學研究第66巻第2号)の冒頭には執筆の趣旨につき次の記載がある。
 「湛然には密教への顕著な批判が見られない点から、密教との思想交渉は等閑視されてきた。小稿は既に指摘される湛然の密教観を再検討し、その思想受容をめぐって善無畏の門弟を表明した湛然在俗の弟子李華(七一七―七七四)と唐代密教教団との交渉に着目し一試論を提示したい」と。つまり妙楽大師と密教との関わりとその註釈態度について考証しているのである。
 しかも「参考文献」としてあげているのは天台宗日蓮宗真言宗の僧侶らが書いたものばかりであり、当然、長倉の論文の中に日蓮大聖人に関する記述は一切存しない。
 一体これのどこが「本宗の正義顕揚に資する」のか。「邪宗謗法の徒に向けて堂々と正義を顕揚」することになるのか。馬鹿も休み休み言え。

北原白秋で「正義顕揚」?

 ちなみに、かつて長倉はNHKの大河ドラマで「篤姫」が放送された翌年、「天璋院篤姫と法華信仰」との論文(前同57巻第2号)を執筆し、このテーマで複数の邪宗の学術大会に出向いて発表していたが、比較的近年も「北原(白秋)家の本宗帰依に関する一考察」との論文(日蓮正宗教学研鑽所紀要第3号)を執筆するなどしていた。
 要するに、世間で話題となった人物や歴史的に著名な人物が宗門の関係者であったことを単にアピールしているだけなのだ。長嘆息するばかりだ。
 仮にも「邪宗謗法の徒に向けて堂々と正義を顕揚」などというのであれば、なぜ日蓮大聖人こそが、三大秘法という根源の仏法を以て、末法の全人類を現当二世にお救い下さる大慈大悲の御本仏であられることを、また本門戒壇の大御本尊こそ、まさしく日蓮大聖人の本懐中の本懐、文底深秘の大法の実体、三大秘法の随一、一閻浮提の一切衆生へ総与された成仏の対境にてましますことを叫ばないのか。そして身延派をはじめ一切の邪宗こそ堕地獄の根源と破折しないのか。この一事をみれば慧妙の遁辞が取って付けた屁理屈であることがよくわかる。
 余談だが、長倉は前記「北原…」の論文末尾の「註」で「大白蓮華」の記事を一部引用後、引用元を〈「冨士宗門史を語る」『大白蓮華』六十一号二十五ページ〉と記しているが、正しくは〈「堀上人に冨士宗門史を聞く」『大白蓮華』六十七号十七ページ〉であり、また引用(転記)の誤りも複数認められる。仮にも〝学者ヅラ〟したいのであれば、こうした己の無能ぶりを晒すミスには気を付けた方がよい。

日亨上人を貶める

 また慧妙は、将来の広宣流布国立戒壇建立に向けた準備として様々な資料の調査・研究・収集に東奔西走された第五十九世・堀日亨上人等の御実績を引き合いに出した上で、あろうことか腐敗堕落した研鑽所の活動がそれと同次元であるかのように謀り、研鑽所を貶すのであれば「日亨上人に対しても……口汚く罵倒せねばならない」とか「歴代上人を誹謗したも同然」などと喚いているが、馬鹿に付ける薬はない。
 「宗祖・開山出世の大事たる、政仏冥合・一天広布・国立戒壇の完成を待たんのみ」(大白蓮華十一号)
 と国立戒壇の正義を叫ばれた日亨上人の御活動と、「国立戒壇」の正義を否定した上で身延派等の邪宗関係者と肩を並べて広宣流布とは全く無関係の衒学的な研究に耽り、同業者意識で身延僧らと誼を通じている研鑽所員らの活動を同一視するなど失礼千万だ。
 研鑽所の腐敗堕落を誤魔化すために日亨上人を引き合いに出す慧妙こそ、「歴代上人を誹謗」していると知れ。

大謗法発言も黙過か

 加えて慧妙は、長倉と横山雄玉が平成27年9月5日に「創価大学」で開催された「日本宗教学会第74回学術大会」に参加して研究発表を行った際、同じ日・同じ会場で創価大教授で教学部顧問(当時)の宮田幸一が研究発表を行っていたことについては一切触れていない。
 無理もない。宮田の発表内容は学会の「極限の大謗法」を正当化し、戒壇の大御本尊様に対し奉る大悪言を言い放ち、重要御書を偽書扱いし、大聖人様の御振舞いを愚弄した挙句、大聖人様ではなく釈尊を本仏とすることを提唱するという余りに悍ましく許し難いものだったからだ。
 しかも宮田がこうした大謗法の発言をする度に、会場内にいた身延派関係者らからはドッと笑い声が上がり、発表後の質疑応答でも宮田の大謗法発言を徹底糾弾した者もいなかった。
 この点、慧妙は宮田が大謗法の発言をして身延派が笑い声をあげていた会場内に「長倉や横山はいなかった」とは明言できておらず、飽くまで一般論として「学術大会で発表を行う際は、登壇者だからといって、最初から最後まで会場にいなければならないわけではない」「教学研鑽所の御僧侶方は、必要な時だけ会場入りしている」と述べるにとどめている。要するにそういうことなのだろう。
 百歩譲って仮に長倉らが宮田の発表中に会場にいなかったとしても、宮田が同じ日・同じ会場で登壇することは予め配布されたプログラム等で把握できていただろうから、宗門僧侶として創価学会の「極限の大謗法」等を面詰することは充分できたはずである。
 それすらもしない腑抜けた為体で「邪宗謗法の徒に向けて堂々と正義を顕揚」「本宗伝統法義の護持宣揚」などとよくもヌケヌケと言えるものだ。
 ある日蓮宗の僧侶は、早瀬日如管長になってからの日蓮正宗は各種学術大会での発表や論文寄稿、或いは仏教系大学での博士号取得と、それまで認められなかったことが許されるようになってきたことに驚き、その所感をSNS上で呟いていた。
 下らぬ詭弁を弄して宗門の謗法与同を糊塗する慧妙は、大聖人様の御目を恐れよ。(天皷)