世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

「統一教会」による政界汚染の深すぎる闇(3)

世相閻魔帳㊾「顕正新聞」令和4年9月15日号

 安倍の死後に「最も近くでご指導いただいた安倍イズムの継承者として志を繋いでまいる決意です」、「われ安倍イズムの継承者たらん」などと自身のブログや極右雑誌上で〝安倍の継承者〟をアピールし続けている政治家がいる。安倍の最側近とも評される萩生田光一自民党政調会長)だ。
 萩生田と言えば「加計疑惑」が思い起こされる。平成21年の衆院選で落選した翌年、萩生田は安倍の〝腹心の友〟である加計孝太郎が運営する千葉科学大学客員教授に就き、月10万円ほど報酬を得ていた。萩生田いわく「浪人中の足しになった。助かった」と。平成24年に衆院議員に返り咲くと、萩生田は同大学の名誉客員教授に就任。平成25年5月には安倍や加計孝太郎と仲睦まじくバーベキューを楽しんでいる。そして平成28年、萩生田は国家戦略特区での獣医学部新設条件の修正を指示し、実質的に加計学園しか応募できない条件にするという「加計疑惑」における重要な役割を演じてみせた。
 そんな萩生田は親分の安倍と同じく〝反社会的邪教集団〟たる統一教会とズブズブの関係にあったことが近時の報道で明らかになっている。

萩生田と統一教会の接点

 萩生田は平成26年10月、統一教会の多摩東京教区が主催した徳野英治統一教会々長)の特別講演会に参加し、来賓あいさつをした。同講演会は関連団体ではなく統一教会そのものが主催した集会であり、式次第の表紙には創設者の文鮮明韓鶴子の写真がこれみよがしに掲載されていることからも、「知らなかった」と言い逃れることはできない。
 また、萩生田は落選中の平成23年3月から24年6月まで統一教会の関連団体「全国教育問題協議会」で理事を務めていた。同団体の事務局長は、統一教会の政治部門「勝共連合」の本部長や政策局長を務めた人物だという。ちなみに、萩生田は平成23年8月に開催された同団体の集会のパネルディスカッションに登壇したが、この時「基調講演」を行ったのは安倍だった。
 さらに、萩生田は文鮮明韓鶴子が設立した「世界平和女性連合」に対し、平成24年から約8年にわたって合計約9万円の会費を支払っていたことも判明した。

統一教会の施設を訪問

 加えて、萩生田は本年7月の参院選公示直前、東京選挙区から出馬した元おニャン子クラブ生稲晃子と八王子市にある統一教会の施設(八王子教会)を訪問し、選挙での支援を要請していた。
 なお、参院選に生稲を担ぎ出したのは萩生田と世耕弘成自民党参院幹事長)であり、生稲陣営の選対本部長を務めたのは下村博文(元自民党政調会長)と、生稲に群がったのはいずれも安倍の側近ばかりだった。萩生田が生稲のファンだったのかは知らないが、知名度だけのタレント候補を擁立する軽薄さは度し難い。
 萩生田は生稲を連れて八王子教会を訪問した件をメディアから追及された際、「地元の支援者の中にボランティア活動を熱心にやっている皆さんがいらっしゃって、その方たちが国連NGOの(世界平和)女性連合の会員の皆さんでした。その関係者のご縁で今回、いまご指摘の施設を訪問することになりました」、「お名前はちょっと分からないのですけれど、八王子の子安町にある施設です」とウソをついて誤魔化した。
 しかし、「報道特集」(TBS)や「週刊新潮」、「NEWSポストセブン」が報じた統一教会元信者の証言によると、萩生田は落選中に「お名前はちょっと分からない」はずの八王子教会に月1・2回訪問し、礼拝を兼ねた日曜日のバーベキュー大会にジャージ姿で駆け付けたり、選挙前には水曜日に行われる「水曜礼拝」に参加したりしていたほか、教会長の隣に座って説教をすることもあり、登壇する際は文鮮明韓鶴子の写真に敬礼までしていたという。ゆえに元信者は「萩生田さんを八王子教会の会員だと思っていました」、「萩生田さんが来ると、やっぱりその場がパッと盛り上がるし、みんなそうやって楽しく過ごした……信者たちからすれば〝家族〟同然」などと証言している。
 萩生田が安倍と同じく、統一教会とズブズブの関係にあったことは明らかだ。

「日本を神様の国に」

 驚愕すべきは、萩生田が八王子教会で行ったとされる登壇(説教)の内容だ。「報道特集」において元信者は、萩生田が「あなたたちの信仰で、日本の未来がかかっているから死ぬ気でこの自民党を復活させてほしい」と発言したり、「私もご父母様(文鮮明韓鶴子)の願いを果たせるように頑張るから、皆さんも一緒に頑張りましょう」、「一緒に日本を神様の国にしましょう」などと訴えたりしていたと証言している。まるで統一教会の幹部のような説教ではないか。
 常識を弁えた政治家であれば、「霊感商法」や「合同結婚式」等の反社会的行為を繰り返してきた韓国発の反日カルト・反社会的邪教集団たる統一教会の取締り強化や、その被害者に対する支援・救済等に動いて然るべきである。しかるに、萩生田は反社会的邪教集団の教義に易々と同調し、あろうことか「一緒に日本を神様の国にしましょう」などと信者たちに発破を掛けていたというのだから、もはや政治家としても人間としても失格と言わねばなるまい。

謗法まみれの萩生田

 余談だが、萩生田の選挙区(八王子市)は創価大学等の学会施設が集中する「創価学会の膝元」であり、萩生田は選挙の際に地元学会員の支援を受けている。「選挙に弱い」と評される萩生田が学会の支援無しに当選することは事実上不可能だろう。
 また、萩生田は平成19年当時、日本会議国会議員懇談会の事務局長も務めた経歴を有しているほか、安倍が生前に会長を務めていた日本会議と強い繋がりを有する自民党保守系議員連盟創生日本」で幹事長代行を務めている。言わずもがな、日本会議の中核を担う邪教生長の家」の原理主義者たちが目指す「神国」と、統一教会が目指す「神様の国」は全く別物である。
 さらに、邪教幸福の科学」が「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」なる大学の設置認可を得ようと目論んだ際に作成した書面には、「萩生田光一衆議院議員の仲介による調整」、「大学関係者と萩生田議員との話し合い」、「萩生田議員からも学長を変えれば開設できるという旨のアドバイスがあった」などと萩生田が大学の設置認可に向けて蠢動していたことを窺わせる記載がある。
 こうして見ると、萩生田は己の政治権力維持ならびに強化のためならば、統一教会創価学会日本会議幸福の科学等々、利用できるものは全て利用するという無節操で謗法まみれの輩と言えそうだ。
 いずれにせよ、日本を食い物にする反社会的邪教集団と積極的に関わり、その野望実現に平然と同調できてしまう〝売国奴〟たる萩生田は日本にとって「害悪」でしかないから、統一教会と共に日本の政界から即刻駆除すべきだろう。
 それと同時に、かような萩生田を経産相から自民党政調会長自民党として如何なる政策を打ち出すかを取りまとめる責任者)にスライドさせるという国民を愚弄した人事を断行し、未だに自民党として反社会的邪教集団との関係を徹底的に洗い出した上で完全に断ち切ろうとしない岸田の責任も厳しく追及しなければならない。(天皷)