世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

図らずも露見した宗門「八十万体勢」の嘘八百

世相閻魔帳㉔「顕正新聞」令和4年1月5日号

 余りにもマヌケというか、お粗末すぎて言葉も出ない。
 今から一年前に早瀬日如管長がこれ見よがしに宣言した「八十万体勢」の大ウソのことだ。

「八十万体勢」の偽計

 早瀬日如管長は平成二十一年七月、「八十万体勢構築」をぶち上げた。御遺命を抛った宗門のことだから、広宣流布を見つめた道念が発露したものではなく、「宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年」にかこつけて、禿人らの食い扶持である信徒(法華講員)の「供養」を増やす魂胆だったことは論を俟たない。
 宗門の執行部は「八十万達成」が発表された昨年(令和三年)一月までの間、勧誘が遅れている住職のつるし上げは勿論、「御命題達成の御祈念」なる観念文をこしらえ
 「令和三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年を期して、法華講員八十万人体勢構築を、名実ともに必ず成就なさしめ給え」
 と勤行のたびに全法華講員に祈らせる馬鹿げた通達を出したり、或いは、宗内全僧俗に対し一日二時間の唱題を百日間行なわせる「百日間唱題行」を強要したりと、涙ぐましいまでの無駄な努力をしてきた。
 しかし、最後の二年間は新型コロナの感染拡大により、もとより旗を振っても動かない法華講員による勧誘は目も当てられないほどの惨状を呈した。
 かくて「宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年」の令和三年一月を迎えたのだが、早瀬管長は
 「宗門は、去る平成二十一年七月、総本山に於ける七万五千名大結集の砌、『法華講員八十万人体勢構築』の誓願を立て、(中略)今回、見事に誓願を達成することが出来ましたことを心からお祝い申し上げます」(「大日蓮」令和三年一月号)
 「宗門は此の大佳節を迎えるに当たり、『法華講員八十万人体勢構築』の誓願を立てて、僧俗一致・異体同心して、勇猛果敢に折伏戦を展開してきた結果、日本国内寺院所属の法華講員の総計が八十万人を超え、見事誓願を達成することが出来ました」(「大白法」令和三年一月一日号)
 「宗門は法華講員八十万人体勢構築の誓願を立て、国内寺院所属の法華講支部が昼夜を分かたず、講中一結して勇猛果敢に折伏を展開した結果、見事に誓願を達成することができましたことを心からお祝い申し上げます。まことにおめでとうございました」(令和三年 元旦勤行の砌)
 と白々しくも得意気に「八十万達成」を宣言してみせた。無論、宗門僧俗の誰もがシラケ切っていたという。
 そこに今般、ある政府統計が公開されたことによって、「八十万体勢」なるものが嘘八百だったことが見事に証明されてしまったのだから、惨たらしい限りだ。
 以下、詳述する。

「八十万体勢」の〝大ウソ〟確定

 毎年、宗教法人の「信者数」等を調査している「文化庁」は、令和三年十二月十日、「宗教統計調査」(令和三年度版)を公開した。
 そこに記載された信者数は「令和二年十二月三十一日」現在の数字だから、早瀬管長の宣言どおりであれば、日蓮正宗の信者数の欄には「八十万人超」の数字が記載されていなければならなかった。
 ところが、である。日蓮正宗の信者数の欄には、なんと「78万2300(人)」と記載されているではないか。八十万人を約二万人も下回っている。
 これを宗門が文化庁に報告したのはいつかと言えば、早瀬管長が「八十万達成」を宣言した後なのだ。
 文化庁は令和三年一月二十八日付で、「宗教統計調査について(依頼)」と題する書面を各包括宗教団体代表者等に送付し、「令和二年十二月三十一日」現在の「信者数」等について五月十四日までに報告するよう求めていたのだ。
 要するに、早瀬管長は説法のたびに「八十万達成」を殊更に誇示する一方で、文化庁には〝信者数は八十万人未満です〟と報告していたのだから、どうかしている。
 まさか、「宗教統計調査」が世間に公表されることを知らなかったというならオメデタすぎる。いや、もしかしたら一分の心ある宗門の担当者が、宗門の余りのデタラメぶりに義憤を感じてコッソリ時限爆弾を仕掛けたのかもしれない。いずれにしても見事な自爆ぶりだ。

宗門の欺瞞体質

 さらに言えば、宗門が文化庁に報告した「78万2300(人)」という信者数すら大ウソである可能性が極めて高い。
 なぜなら、宗門の衰退ぶりは正月の初登山者数が激減していることを見れば火を見るよりも明らかであるし、文化庁が公開している毎年の統計等を丹念に拾ってみると、宗門の信者数の推移には幾つもの不自然な点が見受けられるからだ。
 例えば、宗門は、平成二十七年には年間で六万人も信者が増えたと報告しているが、翌平成二十八年には年間で僅か二千人しか信者が増えなかったと報告している。実に前年比97%減ということになるが、「水増し」して報告するのをうっかり忘れてしまったのだろうか。
 余談だが、早瀬管長は年間で僅か二千人しか信者が増えなかった翌年の元旦に
 「昨年、宗門は僧俗一致・異体同心の団結と弛まぬ努力によって、全国各講中折伏達成数を総計すると、見事目標を達成して、目出度く仏祖三宝尊に御報恩謝徳申し上げることが出来ました」(「大日蓮」平成二九年一月号)
 とヌケヌケと目標の達成を誇っているのだから常軌を逸している。
 また、平成十四年はなぜか信徒数が五千人も減っている。釈尊法華経を説かんとしたときに五千の増上慢が席を去ったごとく、まさか五千の法華講員が大量に脱講したのではなかろうから、これも理解に苦しむ数字である。
 宗門が文化庁に報告している信者数は、一事が万事こんな調子。鉛筆をなめながらテキトーに報告しているとしか言いようがない。
 極めつきは、「宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念局」なる部局が令和三年二月十五日に発した「本日までの最終集計の結果、日本国内全寺院・教会(支部)の所属信徒数が、八十三万七千八百余人となりました」との通達だ。
 宗門が文化庁に報告した令和二年十二月末時点で78万2300人だったことを前提にしても、令和二年に年間で1万1100人しか信者を増やせなかった宗門が、年が明けてから僅か四十五日間で5万5500余人も信者を増やした計算となってしまう。逆立ちしてもあり得ない話だ。どうせウソをつくなら、もう少しマシなウソを考えたほうがよい。

凋落の一途を辿る宗門

 「週刊ダイヤモンド」(2018年3月24日号)は、「信者数激減で苦しむ日蓮正宗」と題して、宗門の困窮ぶりを語る末寺住職の証言を紹介しながら、次の記事を掲載していた。
 「ある住職は『全国の末寺のうち、経営が安定しているのは3分の1程度。一方、寒村地区などにあって運営難の寺も3分の1程度ぐらいある。こうした厳しい末寺を救済するために、総本山は年間4億円近く使っている』という
 「懸命に布教を行っても信者数が大きく増えることは期待できない中、『今後、多くの末寺が危機的な状況に陥るだろう』(末寺住職)という懸念が広がっている」と。
 この記事が掲載されたのは今から約四年前、ゆえに現在では更なる困窮が進んでいることが窺われる。
 また先にも述べたが、正月の初登山者数を見ても、その減少傾向は顕著だ。早瀬管長が登座した直後の平成十八年では約二万七千人だったのが、その十五年後の令和二年では約一万七千人と、実に一万人も激減し三分の二以下になっている。
 浅井先生は早瀬管長がぶち上げた「八十万体勢」なるものについて
 「このようなことを言い出す前に、なぜ御遺命に背いた大罪を、大地に身を投げて大聖人様にお詫び申し上げないのか。この改悔なくしては、弘通など口にする資格もないではないか。所詮、学会も宗門も、大聖人様を忘れているのである。大聖人の御眼を恐れてない。これを無道心というのである」と痛烈に喝破されている。
 宗門は「オママゴトはやめて、ただ御遺命違背の大罪を大聖人様に謝し奉り、真摯に出なおさなければいけない」との先生の叱咤を重く受け止めなければいけない。
 さなくば「餓鬼道に堕つる」ことは必定である。(天皷)

「過去の人」になりつつある安倍晋三

世相閻魔帳㉓「顕正新聞」令和3年12月15・25日号

 本年十一月十八日、安倍晋三元首相は自民党の清和会(安倍派)の派閥会長に就任後、党本部で行われた初の総会に無断欠席したという。どうやら派閥の中に安倍の会長就任を快く思わない者が大勢いることを知り、幼児のように拗ねてしまったらしい。
 「顕正新聞」十一月二五日号の本コラムでも言及したとおり、安倍は必死に地元で本年十月末の衆院選を戦ったが、前回の選挙から得票数は2万4000票も減らし、得票率も低下するという地元での不人気ぶりを露呈してしまった。
 また、安倍は全国約七〇カ所で候補者の応援にも入ったが、イチオシの元秘書を含め、その多くが小選挙区で敗れた。安倍の求心力の著しい低下を物語るものだ。
 実は、安倍は衆院選に先立ち、動画共有サイトYouTubeに「あべ晋三チャンネル」というチャンネルを開設した。よほど今回の選挙が不安だったのだろう。
 最初に投稿した動画で安倍は「私の思いを、政策を、理念を語っていきたいと思います」と宣言。その後、炎上を恐れて視聴者が動画にコメントできないよう設定した上で、空虚な主張を披露する動画を幾つか投稿しているが、中には新幹線での移動中に食事をとろうとする安倍が車内でニヤニヤしながらカツ丼や鰻丼を視聴者に見せつけるだけの意味不明な動画もあった。
 年端もいかない若者ならまだしも、一国の宰相だった者の所為にしては軽すぎる。頭の中が軽いからだろう。
 何より、日本を亡国に誘う悪政を敷いた安倍が、動画の随所でポーズをとりながら、「この国を守る!」と発言していることには〝どの口が言う〟と唖然とした。冗談は素っ頓狂な顔だけにしてほしい。
 とまれ、安倍の涙ぐましい努力の甲斐も虚しく選挙は散々な結果、YouTubeチャンネルの登録者数も、長いこと首相を務めて知名度が高いわりには今ひとつ伸びていない。「NHKをぶっ壊す」と主張する泡沫政党を率いる立花孝志(NHK党党首)や安倍をヨイショしていた御用言論人たちよりも少ないとはお笑いだ。すでに安倍が「過去の人」と烙印を押されたに等しい。

アベ友の下劣さ

 さて、現在、日本大学の附属病院の医療機器調達をめぐる「背任事件」や同大学理事長・田中英寿容疑者の「脱税事件」等が世間を騒がせているが、背任事件で逮捕された医療法人「錦秀会」前理事長・籔本雅巳容疑者は安倍のお友達(アベ友)だという。
 藪本容疑者は日本有数の医療グループのトップを務めていた人物で、医療界隈では「大阪医療界の寵児」として知られていたそうだが、その人間性は下劣そのもの。
 「文春オンライン」の「ホステスが証言『一晩で1千万円』日大背任事件『錦秀会』籔本容疑者のえげつない飲み方」との記事には、藪本の下劣な人間性を窺わせる関係者の証言が掲載されていた。いわく
 「籔本さんの飲み方はえらい汚くてなぁ。ホステスのハイヒールを脱がして、そこにシャンパン注いで飲んだりすんねん」
 「籔ちゃんには着物をビリビリに破かれたり、襟首から背中に『オエッ』とひと口ゲロを吐かれたりもしたわね……」と。
 さらに、本コラムにはとても掲載できないが、藪本容疑者は常人では考えられない行為を平然とやってのける破廉恥漢だそうだ。
 かような下劣極まる輩がなんと安倍の「ゴルフ仲間」で、当時の首相動静にもたびたび登場しており、安倍は藪本容疑者のことを「藪ちゃん」と親しく呼んでいたというから驚きだ。
 実際「日刊ゲンダイDIGITAL」の「独占入手! 安倍元首相と日大背任事件・籔本雅巳容疑者の〝親密写真〟」との記事には、当時首相だった安倍が藪本容疑者と思しきキャラクターがプリントされたTシャツを着て、藪本本人と仲良く肩を組んで満面の笑みを浮かべている写真が掲載されているが、両者が非常に親密な仲であることが窺われる。
 それにしても、藪本容疑者といい、加計学園理事長の加計孝太郎といい、伊藤詩織さんに対するレイプ疑惑がある元TBSワシントン支局長の山口敬之といい、挙げたらキリがないほどアベ友にはロクな輩がいない。
 「類は友を呼ぶ」とはよく言ったもので、安倍もまた連中と似た人間性の持ち主ということなのだろう。
 ちなみに、脱税事件の方で逮捕された田中容疑者は、日大理事長という立場にありながら、日本最大規模の特定抗争指定暴力団山口組」の六代目組長・司忍や指定暴力団住吉会」の元会長・福田晴瞭と昵懇の間柄という札付きの人物だ。
 その田中容疑者は逮捕前、検察に対して「俺が逮捕されるようなことがあれば、今まで政治家に渡した裏金のことも全部ぶちまけてやる」などと不穏な発言をしていたという。
 いったい何が飛び出してくるのかは分からないが、洗いざらい暴露してもらいたいものだ。

アベノマスク

 余談だが、昨年、安倍が総額約500億円もの税金を投入して発注した約2億8700万枚もの「アベノマスク」(布マスク)だが、実はその約3割近い8200万枚(約115億円分)が未だ除湿器完備のご立派な環境の倉庫で保管されたままだそうだ。その保管費用は既に6億円を超え、今後も増加する見込みだという。何とも腹立たしい話だ。
 この〝無用の長物〟の代名詞とも言うべきアベノマスク配布に関連し、真偽は定かではないが、あるジャーナリストは藪本と田中、そして安倍がリベートを受けていた疑惑が浮上していた旨を報じている。
 いずれにせよ、安倍は森友・加計・桜・河井問題等の疑惑に未だまみれている。かような輩は早急に政界から追放しなければならない。(天皷)

食法餓鬼・水島日叡のえげつなさ

世相閻魔帳㉒「顕正新聞」令和3年12月5日号

 「顕正新聞」九月二五日号に掲載された本コラム「水島日叡の摧尊入卑・食法餓鬼ぶり」は各所で様々な反響をもたらした。改めてその内容を振り返る。
 宗門の「教学部長」で次期管長候補の「能化」でもある水島日叡は、本山から課せられた「勧誘ノルマ」達成のためか、自身が住職を務める「能安寺」(埼玉県所沢市)の公式サイトにおいて、日蓮大聖人が久遠元初の自受用身、末法下種の主・師・親、大慈大悲の御本仏であられることを敢えて匿し、世間に馴染みのある「釈尊」を前面に出し
 「当寺は、釈尊(お釈迦様)に始まる仏教を唯一正統に伝える伝統宗派である日蓮正宗のお寺です
 「ほかの伝統的な宗派のお寺と同じく、当寺も日蓮正宗という伝統宗派のお寺です。しかし、当宗は、お釈迦様が教えたとおりの教義を厳正に守り今に伝える唯一の宗派です
 などと摧尊入卑の極みというべき悪言を平然と掲載していた。
 また、葬式等の「料金」について「穏当なご提案」「特に高額なことはありません」「ご安心ください」と執拗に繰り返したり、或いは、未入信の者を寺院の豆まきなどの「オープンイベント」なるものに誘い出そうとしたりと、涙ぐましい営業にも抜かりがなかった。
 かかる腐敗堕落の実態が満天下に晒され、のっぴきならない事態に発展したのかは知らないが、十二月二日現在、能安寺公式サイトは閉鎖され、誰もアクセスできない状態となってしまった。
 ちなみに、能安寺では公式サイトが閉鎖になった理由を第三者から問われたら、「『諸般の事情による』と説明しろ」と箝口令を敷いているらしい。何とも情けない。
 本コラムとしては、池に落ちた犬を打つつもりは毛頭ないが、今回も能安寺のお粗末で驚くべき実態が明らかとなったので紹介していきたい。

「諸祈念願い」でカネ儲け

 能安寺では「新入信・入講者のみなさんへ」と題する「能安寺法華講信行部」作成の指導冊子を配布している。一瞥したところ、「諸祈念願い」という、顕正会では見聞きしたことの無いものが紹介されていた。いわく
・当病平癒祈念
 ・厄払い祈念
 ・七五三
 ・安産祈念
 ・旅行祈念
 ・成人式
 ・進学祈念
 ・就職祈念
 ・自動車祈念(交通安全)
 等がありますので、寺院で諸祈念申し込み用紙に記入し、御供養を添えて願い出て下さい」と。
 年の瀬になるとテレビCMを頻繁に打つ「佐野厄よけ大師」の宣伝文句と見紛うその内容には、思わず仰け反ってしまった。
 かりそめにも信徒のことを思うのであれば、金銭などを要求せず、信徒のために無償で真摯に祈ってあげればよい話である。
 ところが能安寺の水島は、むしろ悩める信徒から「諸祈念願い」の名目でカネをせしめているらしい。水島が信徒を〝食い扶持〟としか認識していない証左といえる。
 大聖人様は立正安国論に、国を亡ぼし人を悪道に堕とす悪比丘の姿を法華経・涅槃経等を引かれ
 「利養に貪著するが故に、白衣の与めに法を説いて、世に恭敬せらるること六通の羅漢の如くならん」
 「像を持律に似せ、少しく経を読誦し、飲食を貪嗜して其の身を長養し、袈裟を著すと雖も猶猟師の細めに視て徐に行くが如く、猫の鼠を伺うが如し」
 と示し給うておられるが、現在の宗門の禿人らの姿が映し出されているかのようだ。
 もし信徒の願いが叶わなかった場合、水島は何と釈明するのだろうか。あくまで憶測ではあるが、「お前の信心が足りなかったからだ」と高慢に言い放って責任逃れをしているとすれば「悪徳商法」との誹りは免れない。
 かの阿部日顕ですら
 「仏力、法力に対する自らの信心と自らの修行によって仏になっていくということが、大聖人の真実の大慈大悲でございます。僧侶の力とか、あるいはお布施を出してお経をあげてもらい、あるいは祈祷をしてもらえば幸せになれるとか災いが払えるとか、そういう考え方がそもそも邪の、誤った宗教なのであります」(昭和五八年九月)
 と言っていたようだが、是非とも水島や無智な能安寺信徒に感想を聞いてみたいものだ。

「法要」を利用した阿漕な勧誘

 次いで、能安寺の寺報「能安」令和元年六月一日号には、「四十九日法要で十四名の折伏成就」と題する信徒の体験手記が掲載されていたが、恥ずかしげもなく非常識な勧誘手法を赤裸々に紹介できてしまう感覚はどうかしている。いわく
 「いざ四十九日法要がやってきて、母方の兄妹、私達の従兄妹等十四名が来寺されました。ここからお塔婆供養による折伏を始めました。妻と二人で、『本来なら正宗信徒でないとお塔婆供養はできなく、四十九日で、もう次の場所に行ってしまうから、信徒としてお塔婆供養をお願いできませんでしょうか、母が一番喜ぶことなので』と真剣にお願いをしました。すると何の抵抗も無く、皆さん御授戒用紙を書いてくれました」(原文ママ)と。
 要するに、能安寺では亡くなった信徒の法要を〝絶好の勧誘のチャンス〟と捉えているようだ。法要に大勢の親戚を集め、いざ法要当日、何も事情を知らずに能安寺を訪れた親戚に対し、唐突に「信徒としてお塔婆供養をお願いできませんでしょうか」と懇願して勧誘するらしい。
 法要開始直前に「信徒としてお塔婆供養を」と情に絡めて懇願されれば、普通の人は「もう寺に来てしまった以上、法要に出ないで帰るわけにはいかない」「そこまで『お願い』されたら仕方ない」と、やむなく応じる他ないだろう。これが宗門の「折伏」と称するものだそうだ。
 そもそも「折伏」とは破折屈伏の義。相手の間違った思想・信仰を破折し、唯一の正法に帰依せしめる剛い弘教法のことである。日蓮大聖人の大恩徳も伝えず、謗法も捨てさせず、〝騙し討ち〟のような勧誘を「折伏」とは言わない。もっとも、御遺命を抛った輩に折伏する資格はないが。
 以上、能安寺・水島のお粗末な活動実態を取り上げた。しかし、これはなにも水島の能安寺に限った話ではない。すべての宗門末寺も五十歩百歩だ。
 御遺命違背の宗門が遠からず餓鬼道に堕することは疑いない。(天皷)

衆院選にみる安倍晋三の凋落

世相閻魔帳㉑「顕正新聞」令和3年11月25日号

 自民党最大派閥の清和政策研究会(清和会)は今月十一日、表向き「全会一致」で安倍晋三元首相の派閥復帰と派閥会長就任を正式決定した。これにより清和会は「安倍派」と呼ばれることになった。
 もともと安倍は清和会に所属していたが、平成二四年九月、当時同会の会長だった町村信孝(元衆議院議長)が自民党総裁選への出馬を表明した際、安倍は町村からの支援要請を拒否した挙句、自らも総裁選への出馬を表明するという裏切り行為に及んだ。
 安倍のせいで清和会は分裂選挙に陥ったが、七割程度が会長の町村支持でまとまっていたという。当然だ。平成十九年七月の参院選民主党に惨敗した後、「お腹痛い」と言って第一次政権を投げ出した〝前科〟のある安倍に期待する方がおかしい。
 しかし、最終的には他派閥の麻生、無派閥の菅をはじめとする質の悪い輩どもから支持を集めた安倍が総裁選に勝利。その後、安倍は清和会を離脱した。
 八年近くも総理大臣を務めた安倍が清和会に復帰して派閥会長になることに執心した理由は、今回の衆院選(令和三年十月三一日)で安倍の不人気ぶりが露呈し、自身の政治生命に黄色信号が点滅し始めたからと推察される。

過去最低の得票数

 実は、今回の選挙における安倍の「得票数」(得た票の数)と「得票率」(選挙区内の投票数に占める得票数の割合)は、過去の安倍自身のそれと比較して散々な結果だった(表①参照)。
 得票数は8万448票と前回から2万4千票も減少、現在の選挙制度下では安倍にとって過去最低の得票数だった。得票率も直近三回の選挙では超えていた70%を下回っている。
 安倍が今回の選挙戦をテキトーに戦っていたのかと言えば、決してそうではない。
 これまで選挙期間中は他の候補者の応援で全国を飛び回っていた安倍だが、今回は十二年ぶりに自身の選挙区で第一声を挙げたという。並々ならぬ気魄が伝わってくる。
 また、選挙戦の終盤には〝極右の女神〟こと櫻井よしこが安倍の選挙区に入り、「安倍さんを全国一の得票で当選させましょう」「三回目の総理大臣になっていただきましょう」などと、安倍への投票を力強く訴えていた。
 このように、安倍は今回の選挙戦を過去の選挙戦以上に力を込めて戦ったにもかかわらず、得票数を前回から2万4千票も減らしてしまったのだ。
 ちなみに、あるジャーナリストは、安倍の悪政を暴いた「顕正新聞」特集号が選挙区内で大量配布・投函されたことが、安倍の得票数減少に影響をもたらした一因との分析を紹介していた。
 ついでに、今回の選挙で得票数・得票率が高かった自民党議員と安倍とを比較してみた(表②参照)。
 「得票数」全国一位は21万票超を獲得した河野太郎。安倍が前回の選挙から2万4千票も減らしたのに対し、河野は5万票以上も増加させた。得票率も約80%と相当高い。
 「得票率」全国一位は約84%で石破茂。安倍と約15%もの大差をつけている。森友問題の再調査を主張する石破の人気は、安倍にしてみれば心中穏やかならぬものだろう。
 その他、相変わらずブレブレの岸田首相や無能なポエマーの小泉進次郎すらも、安倍よりも高い得票数・得票率で当選を果たしている。もはや安倍は「過去の人」、その凋落・不人気ぶりは明白だ。
 このような為体では、櫻井よしこら極右勢力が猛プッシュしている安倍の「三回目の総理大臣」など夢のまた夢。寝言は寝てからにしてほしい。

不人気ぶりを露呈

 加えて、今回の選挙で「投票率」(有権者のうち投票に行った人の割合)が全国最低だった選挙区は、安倍が出馬した山口4区(48.64%)だ。なんと前回から約9%も低下している。
 要は、これまで安倍に投票していた地元有権者たちは、安倍の悪政と言動に嫌気がさして安倍に投票することはせず、さりとて野党議員は支持できずということで、投票に行かなかったのだろう。
 ちなみに、明年以降の衆院選から山口県の選挙区は四つから三つに削減されるが、今回同県から出馬・当選した四名の自民党議員のうち、得票数・得票率ともに最低だったのは安倍だ(表③参照)。
 己の地盤で不人気ぶりを露呈した安倍は焦燥感に駆られていることだろう。
 ゆえに、自身の政治生命を死守すべく自民党内での影響力維持を画策し、清和会会長の細田博之衆議院議長への就任に伴い会長を辞任したタイミングで同会に復帰し、まんまと会長の座をかすめ取ったと思われる。何とも質が悪い。

 浅井先生は「法を知り国を思うの志」特集号において、安倍の世法上の失として六つの悪政と、仏法上の失として「神国日本を作らんとする画策」を挙げられて痛烈に喝破されたが、亡国の政治家の典型というべき安倍を一刻も早く政界から追放しなければならない。(天皷)

法道院(主管・八木日照総監)のチラシにみる宗門のお粗末な勧誘

世相閻魔帳⑳「顕正新聞」令和3年11月15日号

 先日、ある顕正会員の自宅に「幸せな人生を築くための『心の支え』」という怪しげなチラシが投函された。タイトルからしていかにも胡散臭い。
 この邪教のチラシと見紛う代物こそ、宗門末寺「法道院」(東京都豊島区)が信徒獲得のために作成して広くバラ撒いている同寺院の勧誘チラシだというから恐れ入る。
 「法道院」の主管(住職)は宗門の「能化」で「総監」の八木日照、早瀬管長に次ぐ〝宗門ナンバー2〟の御仁だ。
 以下、八木が法道院所属の法華講員にバラ撒かせている勧誘チラシ等を紹介しながら、宗門のお粗末な勧誘実態を見てみたい。

法道院の勧誘チラシ

 法道院の勧誘チラシには「幸せな人生を築くための『心の支え』」「悩んでいませんか?」とデカデカと印字され、次のような勧誘文句が並んでいる。
 「頑張っても結果がついてこない。人間関係がうまくいかない。毎日の生活がつらい。先祖供養を正しくしたい。将来や老後が心配だ。自分の後、墓地を守る家族がいない。悩み苦しみの原因と、それを解決する方法について、僧侶よりお話させていただきます。お気軽においで下さい(無料)」と。
 頑張っても結果がついてこなかったために「八十万体勢」構築に失敗し、事あるごとに法華講員から供養をむしり取って彼らの毎日の生活をつらくさせ、将来や老後の心配までさせている〝諸悪の根源〟たる宗門の僧侶に、「悩み苦しみの原因と、それを解決する方法」など分かるはずもないが、それは措く。
 言わずもがな、日蓮大聖人こそ、末法万年尽未来際の全人類を、三大秘法という根源の仏法を以て、現当二世にお救い下さる、実に久遠元初の自受用身、末法下種の主・師・親、大慈大悲の御本仏であられる。
 しかるに法道院は、世間受けを狙って日蓮大聖人の御名と大恩徳を敢えて隠し、日蓮大聖人の仏法を「心の支え」などという極めて低次元なものに貶めて世に宣伝しているのだ。
 これ大聖人様の仏法を愚弄する所為に他ならず、摧尊入卑の極みであり、断じて許されない。

各末寺の勧誘実態

 ちなみに、法道院は公式サイトでも「ここで見つけた明日の私」「信じていたのは、生命のちから」などと意味不明なことを謳っている。ポエムのような言い回しが実に気味が悪い。
 その他にも法道院は「Japanese Language Class」(日本語教室)とのタイトルで「Let's pleasingly practice Japanese language together with confidence」
(みなさん自信を持って、一緒に楽しく日本語を勉強しましょう)と書かれたチラシをバラ撒いている。日本語に不慣れな外国人を寺に誘い込み、日本語を教える口実で入信させているようだ。
 宗門ナンバー2の「総監」の寺がこの為体、いかに況や他の寺院においておや。
 参考までに各末寺が勧誘のために作成してバラ撒いているチラシを少しだけ紹介する(左下写真参照)。
 これらのチラシをみれば一目瞭然であるが、各末寺は法道院と同じく、日蓮大聖人の御名と大恩徳を敢えて隠し、「茶話会」、「大道芸(ジャグリング)」、「AED体験」、「人生セミナー」など、およそ仏法とは関係のない催しをエサにして誰彼構わず寺に誘い込み、それを勧誘成果に繋げようとしているようだが、法を下げるにも程がある。
 「僧侶」を生業とするために出家した禿人には、身命にも及ぶ流罪・死罪の大難をも耐え忍ばれて全人類成仏の道を踏みあけて下さった大聖人様の大慈大悲、国を救わんと身命を賭して三度の諫暁をあそばされた「法を知り国を思うの志」など露程もわかるまい。
 だからこそ、第六天の魔王その身に入りし池田大作に諂い御遺命違背に加担し、学会と抗争に陥るや仏敵・身延派とも連携し、今や戒壇の大御本尊様を「営利の具」とし奉ることができるのだ。
 このように腐敗堕落した宗門には、もはや広宣流布を口にする資格もなければ、それを成す力もない。
 所詮、現在の宗門が法華講員に鞭を打って行わせている勧誘活動なるものは、無道心の禿人どもの〝食い扶持稼ぎ〟でしかないのである。
 松野抄にいわく
 「受けがたき人身を得て適出家せる者も、仏法を学し謗法の者を責めずして徒に遊戯雑談のみして明かし暮さん者は、法師の皮を著たる畜生なり。法師の名を借りて世を渡り身を養うといへども、法師となる義は一つもなし。法師と云う名字をぬすめる盗人なり。恥づべし、恐るべし」と。
 後生を恐れるべきである。(天皷)