世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

大草一党のデタラメ勧誘の実態

世相閻魔帳㊱「顕正新聞」令和4年5月5日号

 令和3年1月、日蓮正宗(宗門)の早瀬日如管長は「法華講員八十万人体勢構築」(八十万体勢)の達成を宣言したが、それは〝嘘八百〟だった。他ならぬ宗門自体が令和2年12月31日現在現在における宗門の信者数を「78万2300人」と文化庁に申告しているのだから、お粗末としか言いようがない。
 しかし、この「78万2300人」なる数字も眉唾物だ。早瀬管長登座直後の平成18年から令和2年までの15年間で、宗門の信者数は約38万人も増加したことになっているが、実勢を示す正月の初登山者数は同期間で2万7032人から1万7180人と約1万人(36%)も減少しているのだから、「78万2300人」という数字を信じろというのは無理がある。
 さらに言えば、「78万2300人」には法華講大講頭の大草一男率いる妙観講がインド・ネパール等で勧誘したと嘯く「約10万人」を含んでいるそうだが、後述するとおり大草一党のインド・ネパール等での勧誘も御多分に洩れずデタラメなものだ。その大半は従前どおり邪教等を信仰し、宗門に入信した認識が全くない者たちだろう。
 以下、大草一党のインド・ネパール等でのデタラメな勧誘について簡略に述べる。

「授戒=祝福」と謀る

 前提として、宗務院発行の書籍によると、宗門への入信手続は、まず「謗法払い」を行い(「絶対に欠かせない」と明記されている)、その後に「御授戒」という「一切の謗法を捨てて日蓮大聖人の正法を信仰することを御本尊に誓う儀式」を行って完了するのだという。
 では、大草一党の勧誘がどのようなものだったかと言えば、まず〝僧侶が祝福してくれる〟などと甘言を用いて「GOJUKAI CEREMONY」を開催し、そこに大勢の人々を呼び集める(学校など人が大勢いる場所に出向くケースもある)。勿論、参加者の大半はそれが〝改宗〟を意味する儀式とは露程も知らないため、事前にも事後にも謗法払いは行っていない。数珠と経本を配られた参加者が私語を交わしていようが、スマホを操作していようが、会場内を歩き回ろうがお構いなしに勤行を開始してしまうのだ。

 ちなみに、現地の妙観講の主要メンバーだった者がSNSに「御授戒は祝福を意味します」などと投稿していることを見ても、大草一党が現地でまともな折伏をしていないことが窺われる。ゆえに参加者は〝なんだか分からないけど、祝福してもらってよかった〟程度の認識しかないのではないか。
 騙し討ちのような「GOJUKAI CEREMONY」に加担させられたことに後から気付いて腹を立てたのか、先とは別の現地妙観講の主要メンバーだった者は、大草の右腕としてインド・ネパール等の勧誘で中心的役割を果たした黄倉光治の顔写真の横に「ネパールとインドの人々は注意してください」「私たちの国の人々を不法に改宗させています」「見かけたら警察に通報してください」などと警告を付記した画像を投稿している。穏やかならぬ書きぶりだ。

霊友会を利用?

 あまり知られていないが、大草一党とインド・ネパール等で活動を共にしていた現地妙観講の主要メンバーの大半は、もともと邪教霊友会の現地幹部だった者たちだ。そのためか、大草一党のインド・ネパール等での活動は現地霊友会のそれと実によく似通っている。
 また、遅くとも平成25年4月頃までに妙観講が所属する本山塔中理境坊(住職は小川只道)の禿人・小川良到や黄倉らが、インドの「We Are One Reiyukai Sukarya」(WAORS)という霊友会系のNGO団体に顔を出して歓迎を受けていたことも確認済みだ。
 驚いたことに、その後WAORSは「We Are One Reiyukai Sukarya」という「霊友会」を冠した団体名のまま、理境坊の禿人(小川只道・正豪・良到)や黄倉らと共に「日蓮正宗紹介プログラム」などと称する〝宗門への授戒儀式〟を開催しているのだ。
 しかも姑息なことに、その際WAORSの団体ロゴがプリントされた横断幕には「Has No Relation With Reiyukai,We Are Following NIC­HIREN SHOSHU Buddhism」(この団体は霊友会とは関係ありません。私たちは日蓮正宗の教義に則っています)との文章が密かに書き加えられている。かような姑息な小細工を弄したところで邪教の名前を利用して人集めと授戒儀式を行ったことを正当化できるものではない。

 推測するに、大草一党と理境坊の禿人らは、かねてより存在していたWAORSという霊友会系のNGO団体に寄生し、WAORSの構成員等に警戒心を懐かせないよう教義的に破折もしないまま同団体を実質的に乗っ取り、現地で活動する際の〝足掛かり〟〝隠れ蓑〟として都合よく利用した可能性が高い。〝寄生虫〟の真骨頂というべき生態だ。
 実際、WAORS公式サイトには未だ霊友会が依拠する釈迦仏法の説明が縷々記載され、釈尊の絵や釈迦像の写真が掲載されているだけでなく「釈迦牟尼仏」を「仏教の創始者」とし、日蓮大聖人のことを「仏教改革者」などと記している。また、サイトのどこを探しても「本門戒壇の大御本尊」「三大秘法」「下種の御本仏」「久遠元初の自受用身」の文言は見受けられない。しかるに、同サイトには宗門の数珠・経本と「『立正安国論』正義顕揚七百五十年」の際に早瀬日如管長が揮毫した記念の袱紗を皆が手にしている写真等が複数掲載されているのだ。

早瀬管長は黙認

 いずれにせよ、大草一党が「約10万人」と自称しているインド・ネパール等における勧誘の実態はおよそ「折伏」とは評し難く、「謗法厳誡」の精神など微塵もないデタラメなものだったと言えよう。だからこそ、大草一党はネパールにおける妙観講の集会でヒンズー教の神「ガネーシャ」の像を祀ることができ、大草個人も現地の邪宗の大学で釈迦の絵像・仏像を祀りながら「法華経」の講義ができたわけだ。
 早瀬管長は「八十万体勢」の虚勢のために、大草一党のデタラメな所為すらも黙認、いや利用したのである。長大息のほかはない。
 宗門は御遺命違背の大罪を大聖人様に謝し奉った上で真摯に出直さない限り、「餓鬼道に堕つる」こと必定である。(天皷)