世相閻魔帳

顕正新聞のコラム「世相閻魔帳」

学会・公明党と中国の蜜月ぶり

世相閻魔帳78「顕正新聞」令和5年7月15日号

 池田大作が表舞台に姿を晒さなくなってから今年で早13年。すでに「生ける屍」になっているにもかかわらず、未だに池田の名誉学術称号等の受賞を誇る記事が定期的に聖教新聞の紙面を飾っているから摩訶不思議だ。
 直近ではアルゼンチンの大学が池田に「名誉博士号」を売った……もとい、贈ったという。
 学会や創価大学等の関連機関は挙って各公式サイトで池田の「名誉学術称号一覧」を更新し、その総数が「405」になったことを誇っている。実に馬鹿馬鹿しい。
 かつて浅井先生は「世界各国から池田が受けた勲章・名誉博士称号等の類は、その数を知らない。そのすべては金力による。まさに名利の魔物と言わざるを得ない。
 大聖人は開目抄に『愚人にほめられたるは第一の恥なり』と仰せられている。いま池田が、信心のない輩に誉められているのは、折伏の大精神を忘れ、世間に諂っているからに他ならない。これらの勲章こそ、池田の腐敗堕落を象徴する以外の何ものでもない」と痛烈に喝破されている。
 ちなみに元学会顧問弁護士・山崎正友は自著において、池田が昭和40年代に「『日本で評判ガタ落ちだが、海外では名声いよいよ高い』と、大いに宣伝し、海外での作られた名声によって、国内の失地回復をはかろうとした」ことや、池田が昭和50年に富士宮市の名誉市民第一号になった背景について「二つの公園の寄附、池田教育基金三億円の寄付、市民会館建設への協力約束、土地開発公社への四億円の貸付等々、おびただしい札束攻勢を背景に、有力市議会議員らがあっせんに動き……名誉市民条例の制定にこぎつけ、池田氏がめでたく名誉市民第一号になった」と暴露している。
 実は池田が名誉学術称号を買い漁り始めたのは、学会と宗門の関係が悪化し始めた平成の初め頃からであり、その数は池田が表舞台から姿を消した平成22年までの間に急増している。この数字は様々なことを示唆しており興味深い(グラフ①参照)。

池田を評価する中国

 さて、池田の名誉学術称号の一覧を眺めてみると、中国の大学から贈られたものが最も多く、その数なんと「127」(香港2、マカオ5を含む)。全体に占める割合は約31%だ。

 次点のブラジルは「30」(約7%)であるから、中国の大学から贈られた称号が突出していることが理解できる(グラフ②参照)。

 なぜ池田は中国からウケが良いのだろうか。その理由は池田が「日中国交回復」を成し遂げた最大の功労者であることもさることながら、その池田が創設した公明党が長きにわたって中国に貢献し、今後も中国にとって大いなる利用価値があるからに他ならない。以下、簡単に述べる。

周恩来の罠

 中国の国家主席毛沢東の片腕と言われ政治的手腕に優れていた周恩来は「文化大革命によって崩壊した中国経済を立て直すには、日本の力を借りる以外にはない」と考え、当時、日本国内に拡大しつつあった創価学会に目を付け、池田が「日中国交回復」に動くよう様々な工作を仕掛けた。
 政治野心と功名心に燃える池田はこれにまんまと食いつき、学会の学生部総会(昭和43年9月)で「日中国交正常化」についての「提言」を発表。その後、公明党委員長の竹入義勝は三たび訪中し、周恩来から示された国交正常化の共同声明案を持ち帰り、田中角栄総理大臣を乗り気にさせ、周恩来が期待したとおりの役割を果たした。
 かくして偽戒壇正本堂の落成直前の昭和47年9月29日、「日中国交回復」がなされた。以降、日本政府は中国に対して総額6兆円にも上るODA等の公的援助を実施した。これにより中国は息を吹き返し、今日の軍事超大国となり、日本を血祭りに上げる核ミサイルを有するまでになった。「宋襄の仁」の故事を彷彿とする。

公明党媚中政策

 池田が創った公明党は国内で最も親中・媚中の政党であり、日中国交回復後も中国と親密な関係を維持し、日本国内で中国の支援・擁護に注力している。
 このことは中国共産党プロパガンダ機関「人民日報社」が運営するネットメディア「人民網」に掲載された「公明党多年坚持〝对华友好〟助推中日关系发展(公明党の長年にわたる「中国に対する友好」は中日関係の発展に貢献した)」と題する記事(平成29年3月30日付け)を見ればよく分かる。
 この記事は、当時、創価大学教授で復旦大学日本研究センター研究員であった汪鴻祥が中国政府のシンクタンク中国社会科学院」の日本学研究所が発行する学術誌「日本学刊」(2017年第2期発表)に寄稿した論文の内容を簡略に紹介したものだが、そこには次の記載がある(以下は中国語の原文を翻訳したもの)。
 「新たな情勢の下、公明党は中国の関係者と緊密な連絡を保ち、中国との交流を引き続き発展・強化し、中日友好協力関係の発展に重要な役割を果たし続けている。
 第一に、中日関係の正しい方向から逸脱した自民党の一部保守政治家の言動に圧力をかけ、牽制した。
 第二に、中日友好の基本方針を堅持し、中日関係をめぐる公明党の立場を日本社会と国際社会に説明し、表明した。
 第三に、中日両国の与党間の交流に積極的に参加し、特に両国関係が困難な時期に政党外交で重要な役割を果たした。また、両国元首の相互訪問と交流を積極的に推進する。
 今後の日本の内政・外交において、公明党はますます無視できない重要な存在になるだろう。今後の中日関係の発展において、公明党は依然として重要な位置を占めており、重要な役割を果たすことができる」と。
 仮に公明党がこの役割を実際に担っているとすれば、いっそのこと党名を「中国共産党・日本支部」にでも変更すべきだ。

「対中非難」決議等を骨抜きに

 たしかに公明党が「中日関係の正しい方向から逸脱した自民党の一部保守政治家の言動に圧力をかけ、牽制した」と言い得る出来事は幾つもある。
 たとえば令和4年2月1日、衆議院が採択した新疆ウイグル自治区等における中国政府の人権侵害行為に対する非難決議がそれだ。
 この決議は「対中非難」とは全く以て評し得ない大甘で腑抜けたものだが、そうなったのは、公明党幹部が対中非難の意味合いを薄める目的で自民党幹部に対し、当初案に存在した「人権侵害」「深刻な人権侵害行為を…直ちに中止」等の重要な表現、さらには非難決議であれば当然あるはずの「強く非難」との文言までも削除するよう要求して呑ませたから、と言われている。
 中国がウイグルで「ジェノサイド」(大量虐殺)に及んでいることは周知の事実であり、これは「人権侵害」などの手緩い表現で済むものではない。しかるに公明党はその手緩い表現すら拒絶したのだ。
 また公明党は「重要土地等調査規制法」(自衛隊基地周辺の土地を中国が買収している事実等が発覚したことに鑑み、政府が安全保障上重要と指定した施設周辺の土地を売買する際には事前届出を義務付けるなどした法律)の制定にも慎重姿勢を崩さなかった。
 ために自民党は法案とりまとめの過程で公明党への譲歩を余儀なくされ、最終的に防衛省(東京都新宿区)を含む市街地、海上保安庁の施設、原発等の重要インフラ施設周辺の土地を事前届出が義務付けられる区域に指定できなくなってしまった。

公明党代表中国共産党の密月ぶり

 ちなみに公明党代表山口那津男中国共産党も仲睦まじい。
 令和4年10月28日、山口は中国の国営通信社「新華社」の単独インタビューにて「公明党中国共産党の長い間の交流と信頼関係を更に深められるように、共々に協力し合っていきたいと思っています」などと語った。
 また同年12月23日、山口は北朝鮮など社会主義国との外交を推進する中国共産党中央対外連絡部のトップである劉建超とビデオ通話を行い、同人から中国共産党自民党公明党とで対話を行う「日中与党交流協議会」の再開を打診されている。
 その他、日本メディアは報道していないようだが、山口は本年5月10日、「中国共産党の100年の歩みは世界的にもっと評価されるべき」と公言するほど中国にベッタリの鳩山由紀夫元首相夫妻ら親中派の面々とともに、都内で披露された日中平和友好条約締結45周年を記念した「京劇」を鑑賞している(当日撮影された集合写真には、鳩山元首相の隣に座って満面の笑みを浮かべた山口がいる)。

公明党の動向を注視

 以上、池田大作そして池田が創設した公明党中国共産党への貢献ぶり、中国共産党との親密ぶりを見れば、冒頭に述べたごとく池田が中国の大学から数多くの名誉学術称号を贈られていることも合点がいく。中国にとって政権与党に巣くう公明党ほど利用価値のある存在はいない。
 四月度総幹部会において先生は
 「仏法の上から見れば第六天の魔王は、池田大作をして御遺命を破壊せしめるとともに、日本を侵略する中国を軍事超大国になさしめた
 と指導くださったが、中国による台湾侵攻が眼前に迫る今、学会・公明党の動向を注視する必要がある。(天皷)